第44話「恋バナ作戦」
強い。
サラは確信した。
アラクネのネフェルトに第三階梯の魔法が通じない。
ネフェルトが使ってる糸は魔法封じなのか?
だとしたら、彼女には魔法では勝てないし、肉弾戦で勝てる相手でもない。
落ち着け、こんな時にリミカはどうしてたのか。
「……ネフェルトさん、独身ですか?」
「え、なに急に? うーん、一応は既婚者かな。相手は女の子だけど」
「なら、ネフェルトさんにも分かるはず。私はリミカを心から愛してます!」
「!? そ、そうなの? 最近の若い子は気が早いのね」
「なので、私の愛の糸をネフェルトさんに作ってほしいのです!」
「ぐ、具体的には?」
「そう、ネフェルトさんみたいに女の子同士の恋愛が分かる大人の女性なら、リミカを口説く方法を知ってるはず。それを私に教えて欲しいのです!」
「え、えぇ? 今戦ってる最中なのに、アナタ正気?」
「これが正気に見えますか?」
「魔物のワタシが言うのもアレだけど、恋愛バーサーカーねアナタ」
リミカから教わったこと。それは、もしも勝てない相手であっても、話が通じる相手には積極的に話しかけること。
それで相手を油断させる。
⬛︎
「えー!? もうそんなとこまで行ったの!? さすがはサラちゃんね!」
私達はすっかり恋バナに花を咲かせていると、ネフェルトさんが助言をくれた。
「リミカ姫の事は、あんまし詳しくないけど、あの子もまだ若いからね。サラちゃんはドンドン攻めれば良いと思うわ! もうサラちゃん無しでは生きていけない状態にしちゃえば良いのよ!」
「つまり?」
「うん、リミカ姫に会ったら永遠の愛を誓いなさい! しかも、魔界の魔物達が見てる中で! これにはリミカ姫も黙る事はできないわ!」
「ありがとうございます、ネフェルトさん! 早速、私リミカに会って来ます!」
「頑張ってね〜」
ネフェルトさんが、私を見送った後に、背後からネフェルトさんの声が聞こえて来た。
「うーん、やっぱりワタシには戦闘は向いてないわね。それで先代の魔王様を困らせたし。頑張ってねサラちゃん!」
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