第23話「総力戦」

「うわ!? なんか嫌な夢を見てた気がする!」


 レミアが叫んだと同時に、コードブレイク『オメガ』に支配されてた者達全員が解放された。


「レミア! その聖剣でカエリア大臣の中に居る悪魔を斬るんだ!」


 私はカエリアにコードブレイクを発動した。


「させるかぁ!!」


 私のコードブレイクとカエリアのコードブレイクが衝突したが、すぐにアサンがリヴァイアサンとしてのブレスで掻き消した。


 二つのコードブレイクが弾け飛んだ後にサラがカエリアに接近して第三階梯かいていの魔術を発動した。


「第三階梯『イフリート』!!」


 カエリアが爆風で空中に浮かんだ後にディンが連続打撃を発動した。


「が、ぐ!? この肉体では獣王に勝てない!」


 カエリアが殴られていると、光の聖剣を構えたレミアが背後からカエリアの肉体ではなく、中に潜む悪魔だけを切断した。


「ぐぅあああー!! ……なーんちゃって」


 倒したかと思ったが、カエリアの肉体から黒い霧のようなものが出てきた。


 姿形はないが、アレが悪魔本体なのか。


『ははは! カエリアはもう使い物にならない! ならば、もっと良質な肉体が良いな!』


 悪魔が狙ったのは、私だった。


 当然だ、魔王の娘の肉体が有れば勝てるからな。


 そんな分かりきってる策を見抜けないほどバカではない。


「チェックメイトだな」


 アサンが悪魔に噛み付いて、魔法で固定してる隙に私はコードブレイクを発動した。


「じゃあな悪魔、強欲のネックレスはいただく」


『ま、待て! 私はただ自由が欲しかっただけなのだ! 命乞いぐらいさせて……』


「悪魔の言い分は聞く耳は持たない。コードブレイク『アルテマ』!!」


『ぎゃああああ!!』


 断末魔を響かせながら形がない悪魔は消滅するのであった。


 しかし、アサンがすぐに警告した。


『気を付けろ皆の者! 悪魔は完全に倒せてない! 強欲のネックレスを破壊しないと無理だぞ!』


 強欲のネックレスを身に付けてるカエリアの肉体は、まだ空中にある。


 間に合うか? しかし、私は信じられないものを見た。


 サラの背中から純白の翼が生えたのだ。


「リミカ、一緒に飛ぼう。君とならどこまでも飛べるよ」


「あぁ、これはお前が始めた物語だ。なら、最後はお前が決めろ!」


 私はサラと手を繋ぎながら空を飛び、カエリアの首に下がってる強欲のネックレスを破壊した。


 これにて、帝国を影から苦しめていた強欲のネックレスによる脅威は去るのであった。

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