第22話「愛は勝つ!」

「コードブレイク『オメガ』。まさか、アナタがそれを使えるレベルの悪魔だったとは思いませんでした」


 カエリアを中心として半径3kmの中に居る者達全員が闇の中に取り込まれて、その中で唯一正気だったのはサラだけであった。


 他のみんなは闇に包まれて自分達の善意が剥ぎ取られて廃人か狂人になるかの二択しか用意されてない残酷な禁術である。


「さて、サラリス様、形勢逆転ですな。大体、無名とは言え悪魔の私に勝てるわけないでしょうに、くくくははは!! コードブレイク『オメガ』に勝てる存在など居るまい! 例え獣王でもリヴァイアサンでも、心を破壊すれば良いのだからな!」


 カエリアが高笑いする中、サラは不敵に笑った。


「ふ、ふふふ、コードブレイク『オメガ』はあらゆる善意を剥ぎ取る禁術。心が壊れたら何もできない。でも残念でした、リミカには天使の加護を授けましたから」


「天使? ……!? サラリス様、まさか貴女は!?」


「あー、やっぱり私がハーフ天使だったの隠してて良かったぁ。もしバレてたら対策とか取られてたもんね」


「な、天使の加護……つまり、そこの娘、リミカとディープなキスをしたのか!?」


「はい」


「うわぁぁぁ!!? やめろ、やめろやめろやめろ! 私のコードブレイクが、愛の力で破られるとか、そんな恥ずかしい展開が待ってるとか嫌だぁぁぁ!!」


⬛︎


 一条の光を見た。


 周囲が暗黒に包まれてる中で、光り輝く君がやって来た。


「リミカ、確かに貴女は魔王の娘かもしれない。でも負けないで! 貴女は人間の両親から人間として育てられた。なら、後は貴女が人間として生きるか、魔王の娘として生きるかだよ!」


 その質問に対して、私は力強くうなづいた。


「私は、自分が何者とかどうでも良い。私は生きる、魔王の娘としてじゃなくて、人間として、仲間達と共に生き続けてやる!」


 私の言葉で、暗黒にヒビが入って、何もかもが粉々になって光に包まれたかと思うと、そこにはサラが立っていた。


「リミカなら、この闇に勝てると確信してたよ。さぁ、最後の戦いをしよう」


「そうだな。サラとの最後の怪盗、強欲のネックレスを破壊して奪う! この帝国の財政難から民を守ってやる!」

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