第23話 有紗がいない日々
学校に向かうと頼生に話しかけられた
「よ、おはよう?骨折辛いよな」
「心配ありがとう。でも大丈夫だよ」
大丈夫な訳無い。精神的にキツくなってきた
よく話してくれる人は違う学校だし、今は病院で闘病中だから話せるのは頼生しかいない
まあ少しは楽なだけマシか
「あ、荷物持とうか?」
「ありがとうな」
「俺も骨折した時友達に手伝ってもらった方が安心するよな」
「だな」
エレベーターに乗り教室に入る
頼生と一緒に来たことで少し注目されたが骨折した足をみて理解したようだ 本当に助かる
学校が終わると親が迎えに来てくれていた
「早く骨折治るといいわね。カルシウムいっぱい取らないと!」
「そうだね」
母との会話があまり弾まなくて少し気まずい雰囲気が漂っていた
学校が終わると長い時間が続く、無心で僕は天井を眺めていた。
19時にまわった頃階段が登る音がした母だった
「ご飯食べる?」
「うん」
母に支えられ階段を降りると今日はローストビーフだった。僕の大好物だ
「これ食べて元気出しなさい!」
「ありがとう。お母さん」
「どうってことないわよ!私はあなたのお母さんよ?」
その言葉に少し元気がでた
今日は久しぶりに笑いながら食べることが出来た
翌朝学校に行くと頼生が近寄ってきて
「バック持つから貸せ」
「今日もありがとう」
「じゃあ今日行くか」
「うん」
階段で久しぶりに登ってみたらある程度歩けることに気づいた
「頼生少し歩いてみるわ」
「大丈夫なのか?」
「多分大丈夫」
歩けた
これで僕は有紗の所に行ける!と思いつつ足がギシギシと傷んだ
「いっった」
「ほれみろ」
「だけど頼生ありがとう。頼生のおかげで元気になった」
僕の目は客観的にみて少し輝いて見えたと思う
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます