第5話 こがね、あかりの母にバレる!?


夕方。

学校から帰ってきたあかりが玄関を開けると、そこには――エプロン姿で買い物袋を持った母。そして、その真正面には金髪の少年姿のこがね。


(……あ、終わった)


あかりが固まる中、母はゆっくりと買い物袋を置き、笑顔を浮かべた。


「あら……その子、もしかして、あかりの――さんかしら?」


「か、かかか彼氏!? ち、違うから!!!」

顔を真っ赤にして両手をブンブンと振るあかり。


「彼氏って何?」と、こがねは素で首をかしげる。

こがねのその無邪気な顔が、余計に母の『確信』を深めた。


「まあまあ、あかり。照れなくてもいいのよ。お母さん、そういうの応援するからね」


「いやだからお母さん!違うってば!! この子は……えっと、えっと……」


「あかりの友達の弟です!」

あかりが苦し紛れに叫んだ瞬間、こがねがにっこり笑ってうなずく。


「そうそう、友達の弟!よろしく~」


(こがね、お前今知っただろ、その設定……!)


その後、あかりはこがねを自室へ引きずり込み、バタンとドアを閉めた。


「あああああ……なんで廊下で人間の姿になってんのよ!」


「だって、外から帰ってきたときはって言うもんでしょ?人間らしく」


「今は、そういう問題じゃないから!」


机に突っ伏すあかりを見ながら、こがねは「彼氏ってなんなんだろう」と本気で考えていた。


夕食時、母は意味深にニヤニヤしながら言った。


「あかりの友達の弟くん、また来るのかしらね?」


(やめてくれえええ……!)


あかりの心の叫びをよそに、こがねは「また来るよ!」と元気よく返事してしまった。

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