終わる世界のプロローグ――青
残酷な四月の月に、紫色に輝く隕石雨が降ってきた。馬鹿で虚ろな人類にとって唐突だった厄災は、オレからすると必然だった。
ずっと待ち望んでいたんだ。願い続けてた、暗い部屋の中で毎日。
眩い岩石が降り注ぐ。燃えていく、大嫌いな学校も、憎いクラスメイトの家も、次から次へと。
飲みこまれていく。海から迫りくる津波に、一時は憧れていた娘の家も、子供の頃両親と通ったささやかな公園も、すべて等しく。
地獄のような光景をマンションの屋上から見下ろしながら、オレは一人哄笑する。土砂降りの雨まで降り出して、舞台装置は完璧だ。
そうだ、全部壊せ。壊れてしまえ。オレを拒絶した世界なんて、なくなってしまえばいい。
石つぶてが頬を掠めた。屋上も最早瓦礫の山だ。だけど恐怖など感じない。
オレはきっと生き残る。すべてが壊れたこの世界の王になるために。
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