第2話  それは恋のチャート

日々様々な占星術のチャートを読ませていただいていると、時々これは…!と思うチャートが存在します。そんなチャートは滅多とないのですが、星の配置がとても印象的であったり、質問内容と本当に聞きたいことがちょっと違っていたり、どのチャートも味のあるチャートがほとんどです。それらの多くは占星術師たちの学びのため、勉強チャートとして読まれることもあるぐらいです。

つい先日、受けた質問がとてもユニークかつ印象的でしたので、普段私がどのように占星術をしているのか少しだけ見てほしい…と思い、質問者様の許可をお取りして、こちらで掲載させていただきました。


2025.10.31(金)

時間は夕方、場所はプライベートなことなので内緒。実際のチャートは近況ノートの12月の更新に貼ってあります。問い合わせあれば実際の時間をお教えいたします。


質問内容・水の女神様からの連絡はありますか?


水の女神さまからの連絡とは…と思われるかもしれません。これはハンドルネームで、質問者様はこのハンドルネームを使用している方からの連絡を待っているそうです。質問者様は女性、相手方の水の女神様は男性だそうです…

ネット上で知り合った女神様とのやり取りの中、突然連絡が途絶えてしまったそうです。彼に何かあったのではと心配になり、私のところに舞い込んできた質問となります。


ここからは専門的な文章になります。興味のある方、勉強中の方はそのまま、興味のない方はどちらでも構いません。コアな方は読んでみてください。ちなみにホラリー占星術を使用しています。


まず私たちは、質問者様をカレントと呼びますので、カレントとしましょう。

カレントを示す惑星はアセンダント、アセンダントのロードである水星が与えられます。アセンダントはカレントを示す場所ですので、カレントを示す場所として与えられます。また、3ハウスはカレントの通信を示す場所です。3ハウスのロードである月もカレント様の通信を司る惑星として与えられます。

対するお相手である女神様、お相手としましょう。彼を示すものとして7ハウス、7ハウスのロードである木星が与えられます。そして、カレントと同じように、7ハウスの通信を示すものとして、9ハウスがあてがわれます。ここでは土星です。


さて観察に入ります。

返事が来ますか?連絡ありますか?という質問がなされた場合、観察する場所は大きく12か所あります。えっ、多い?焦らずゆっくり観察してください。コツさえつかめばきっとあなたにも読めるようになります。私がそうだったように。きっと大丈夫ですよ。早速見てみましょう。


12か所の内訳は以下の通りです。


① 9ハウスロードと3ハウスロードに何らかの結合

② 9ハウスロードとアセンダントロードの何らかの結合

③ 9ハウスのロードが3ハウスに入っている

④ 9ハウスのロードがアセンダントに入っている

⑤ 9ハウスのロードがアセンダントにアンティッションで入っている

⑥ 9ハウスのロードが3ハウスにアンティッションで入っている

⑦ 月とアセンダントのロードとの何らかの結合

⑧ 月がアセンダントに入っている

⑨ 月と3ハウスロードとの何らかの結合

⑩ 月が3ハウスに入っている

⑪ 月がアセンダントにアンティッションで入っている

⑫ 月が3ハウスにアンティッションで入っている


以上となります。


これらを立てたチャートから一つ残らず観察すると、一つだけ該当するものがあります。というか、この条件下において一つしか該当しないのです。

どれが該当したのか、正解は⑦です。月と水星の間には、やがてアスペクトが成立します。コツとしては、月と水星はサインをまたいでも、アスペクトが成立するということです。


というわけで今回私が述べたいのは、カレントのお相手から連絡が来ることではないのです。

表題にもある通りこれは恋のチャートなのです。

たいてい異性からの連絡を待っている状態というのは、大体待っている異性に対して好意を持っていらっしゃることがほとんどです。

この質問をしてくださった方は、この時点でお相手に対して恋心を抱いていなかったそうです。質問を受けた時に聞く限りでは、です。ただ相手の連絡が途絶えたことが気になってしまっているとおっしゃっていました。


ここで注目していただきたいのが、アセンダントのロードである水星の置かれている位置です。

カレントの表示星であるアセンダントのロードの水星は、7ハウスのカスプ(7ハウスの境目)に乗っています。カスプと同じ度数、でもわずかにですが7ハウスに入っているのです。

本来であれば、水星は自身のデトリメントにあり、ちょうどアセンダントから180度離れた場所に置かれる…あまり良くないような表示のされ方をしています。しかし、この表示というのは、恋愛のチャートにおいて、相手の懐に傷つくことを恐れずに飛び込み、相手から受け取られている場所に自らを置く、相手からレシーブされているという風に読むことができるのです。

人は恋に落ちると、自らが不利な状態に置かれているような場所に置かれてしまうように見えてしまうことがあります。しかしそれは相手に自分のことを委ねてしまう、それが星を通して観察される、どうやらそういうもののようなのです。

この表示は、相手の方に受け取られている、つまりカレントは相手から深く思われている表示となるのです。言い方を変えると、このカレント様は相手から深く愛されていると読めるのです。

申し上げた通り、これは連絡を待っているチャートです。しかし意図しなくても、相手の気持ちやご自身の気持ちを読み解いてしまうことがあるのです。

ですが、意地悪な占星術師、いえ、あえてする意地悪ではありませんが…。今回のことのように、占星術師は聞かれたこと以外のことをチャートから知ってしまうことがあります。

ホラリー占星術は質問に答える技術です。師匠もそのあたり口を酸っぱくして私に伝えて下さいました。あえてすべてをお伝えするのではなく節度を守ってお伝えしています。本人様に確認すれば答えてもいいのですが。この方は恋心ではないと仰っていました。占星術師は聞かれていないことに対してお答えすることはないのです。たとえ自分がその方の聞きたいこと以外のことを、チャートから読み取って知ってしまっても、です。


その後、この質問の結果はどうなったかと申しますと、カレントは相手様に連絡を再度入れ、日付をまたいだ午前3時ごろ、お相手様から連絡があったそうです。なんでもお相手は仕事が忙しく、カレントに連絡ができなかったそうです。


このようにして、私達占星術師は、チャートから様々なことを知ることができます。今回のように、質問者様が知りたいと思っていること以外の事が分かってしまうこともあります。質問者が望んだ以上の結果が導き出されることがあり、しばしば答えとは別の結果に繋がることがあります。このチャートには他にも色々気になることがありますが、全てお伝えすることはありません。時折質問者様に確認しながら慎重に答えに辿り着きます。

占星術師が答えを見つけてしまったとしても、カレントが自分の気持ちに気が付き、新たな視点を持つことも時に重要になってくるのです。


さらにその後、彼女から別のご相談依頼がありました。

彼女がお相手と恋に落ちたと気がつくのは、それからしばらく時間が経った後のことのようです。


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