第3回 それは、望む人全員に与えられるお守りじゃないらしい
読んで下さり、ありがとうございます。
待たれていたかはわかりませんが、お待たせしました。エッセイ第3回の今回は、ようやく「精神障害者保健福祉手帳」取得に動き出したエピソードを書きます。
あの面接のあと、帰宅してすぐに「精神障害者保健福祉手帳」の取得方法について調べました。
検索すると、市のホームページがあったので、ひと通り目を通しました。
私が手帳の存在を知る最初のきっかけとなったマンガ家さん(東京都在住)がSNSに上げていた手帳の色は緑色でしたが、私の在住している県では青色の手帳が見本として貼ってありました。もしかしたら、都道府県によって、手帳の色は違うのかもしれません。
市のホームページの説明には、「一定の精神障がいの状態にある」こと、障がい等級など。それから、取得した際に利用できるサービスも書いてありました。申請方法も書いてあり読みましたが、ちゃんと説明をしてもらおうと、後日、区役所へ向かいました。
窓口は、「福祉事務所障害者支援課給付係」。どこの都道府県も、だいたいこの窓口名なんだと思います。
福祉関係の窓口は一か所に固まっていて、「この窓口をご利用の方は何色の札を取ってお待ちください」と書いてあったんですが、私は間違えて、身体障害者さん用の窓口でちょっとだけ待ってしまいました。私が用があるのは、隣でした。
札を取り直して、隣の精神障害者さん用の窓口の前に移動すると、偶然待っている人もいなくて、すぐに番号を呼ばれました。
対応して下さったのは若い男性でしたが、「精神保健福祉のしおり」というタイトルの冊子とともに、優しそうな声でとても丁寧に説明をして下さいました。
各自治体や厚生労働省のホームページ、冊子にも書いてあることですが、初めての方のために、一応こちらでも簡単に説明しますね(冊子から引用させて頂きます)。
まず。この「精神障害者保健福祉手帳」の制度は、一定の障がいの状態にあることが認定された方に交付され、福祉・各種サービスが受けやすくなるだけでなく、《精神障がい者の社会復帰と自立、社会参加の促進を目的》となっています。《》内の文言は、まさに私が求めていることです。
それから、障がいの程度によって1級〜3級に区分されるそうです。
申請方法ですが、申請に必要な書類はいくつかあります。ですが、新規申請の私は、「精神障害者保健福祉手帳用診断書」と履歴書に貼るくらいのサイズの写真だけでした。でも説明してくれた方は、写真はなくても大丈夫ですよと言っていました。つまり、診断書だけがあればいいんだそう。
結構ゆるい……? と、ちょっと思ってしまったのは、ここだけの秘密です。
申請に有効な診断書は、「精神障がいにかかる初診日から6ヶ月を経過した日以後における診断書」だそうです。私は
「記憶を遡って前回行った月は○月だったよな。もしやクリニックに相談に行けばすぐに書いてもらえるのでは?」
と、早期の申請に期待しました。
それから、福祉手帳の他にも説明をしてくれたのが、「自立支援医療」です。私が事前に目を通した市のホームページには書いてなかったんですが(別のページに書いてあったのかな?)、精神疾患で継続して通院を必要とする方が受けられる制度です。医療費の自己負担が、原則1割となります。
所得によっても月額の自己負担額の上限額が決められていて、冊子によると、人によっては上限額が0円となるようです。
こちらの申請は、希望すれば手帳の申請と同時にでき、新規申請の私は、手帳申請時に必要な診断書で申請できるとのことでした。
ちゃちゃっと説明してしまいましたが、「精神障害者保健福祉手帳」や「自立支援医療」に関しては、自治体や厚生労働省のホームページで調べたり、役所の窓口でちゃんと説明して頂いだ方がいいと思います。有効期限などもあり、窓口では冊子ももらえると思うので。
……私は今、どこの目線から何を言ってるんだろう。
その後。クリニックを予約して、先生に「精神障害者保健福祉手帳」を取得したい旨を相談しました。
私は、すぐに先生も理解してくれて診断書を書いてくれるものだと思っていました。ところが、なぜか先生の歯切れがあまりよくありませんでした。
話を聞くと、手帳の取得はそう簡単ではないようです。
手帳を取得したいという相談は、これまで何人もいたそうですが、どうやら審査が厳しいらしいです。聞いた時はエッセイを書くつもりではなかったので、私も詳しい理由は聞いていませんでした。
なので、改めて審査基準を調べてみました。とあるホームページの記事にあった3級の審査基準を参考に、軽く説明します。
審査は、精神保健福祉センターというところで行われるそう。3級の判断基準は、「精神障害があり、日常生活や社会生活に一定の制限がかかる、もしくは、制限をかける必要がある程度」の方。
例えば、
・日常的な家事はできるけど、状況や手順が変わると対応できないときがある。
・ひきこもりがちではない。
・行動のテンポを、周囲の人とほぼ合わせられる。
私が読んだ印象では、「誰かのサポートがなくても日常生活を送るのにさほど支障がない、等級の中では一番軽微な症状」の方が対象のようです。私が通るとしたら、恐らくこの3級だと思います。
審査がどれだけ厳しいのかわかりませんが、取得を勧めることを渋る先生に、私はちょっと粘りました。
手帳があれば、自分に合った仕事を見つけられる。今の自分にできる仕事を見つけるために、必要なアイテムです。
「精神障害者保健福祉手帳」は、不安定な私の“お守り”になると思いました。その思いを言ったら、先生は診断書を書くと言ってくれました。
ところが。ここで私の勘違いが判明。
その月から、半年間の通院が必要だと言われました。
申請ができるのは、「精神障がいにかかる初診日から6ヶ月を経過した日以後における診断書」。私は、半年の通院履歴があれば申請できるんだと思っていましたが、どうやら、私が最後に受診してから半年ほど期間が空いてしまっていたので、それでは「継続して通院した」という証拠にはならないようです。
マジか……。心の中でこっそり呟きました。
でも、毎月ではなく、2ヶ月に一度の通院で大丈夫でした。恐らく、「6ヶ月間の通院履歴」が残れば大丈夫なんだと思います。
そういうわけで、今年11月の申請を目指して、私はその日から再び通院することになりました。
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