悪魔の俺が何故お前らのお守りをしなければいけない!と言うお話し
掃き溜めに駄犬
第1話 悪魔族代表、その名はアギト
この世界を人はユグドラシルと呼ぶ
この世界は魔法・妖術・精霊術などの摩訶不思議な力で発展し、それに伴う技術により文明が進化した為に、産業的文明は存在はするのだがソコソコにしか進んでいない
いわゆる何でもありな中世ヨーロッパ的な異世界を想像して欲しい
この世界には森があり川があり砂漠も雪山もある、地域によっては四季もある美しく豊かな世界でした
今からちょうど百年前に始まった、この世界の全種族を巻き込んでの戦争が始まるまでは……
人々はその戦争を『百年大戦』と名付けました
何故百年って? 百年続いた大戦が今日終わったからなのです
ーーーーー
百年大戦はこの世界の総人口の半分を殺しました
戦闘で亡くなった命
戦争の余波で飢餓に苦しみ亡くなった命
戦争とはそういうものです、
いま人族の王都にある円卓には、この世界にある主要な種族の
長い戦争に辟易した長たちにより和平会談が行われ八種族が先陣を切って平和な世の中にしていこうと手を取り合ったのです
人族・天使族・悪魔族・魔族・竜族・アンデッド族・妖精族・妖怪族の計八種族はここに約束をしました
百年続いた大戦は今日終わった、よって何があっても百年は戦争のない世の中を続けようと……
世界中が狂喜乱舞しました
世界中で宴が催されました
世界中が昨日まで敵だった他種族の者と握手を交わしました
その光景を円卓から眺めていた天使族の代表『大天使ミカエル』が言いました
「百年大戦は種族間の思考の違い・価値観の違い・文化の違い、様々な違いが争いの火種となりました」
そうなのです、相手の考えがわからない者同士がわかり会えることなど無いのです
「そこで提案する、我ら八種族の代表を集め先ずは小さな世界の八名として分かり合える芽を作らないか!」
大天使ミカエルは言います、代表者八名は共に暮らし・共に学び・共に成長し先ずは八種族の太くて頑丈なパイプ役を作ろうと提案したのです
その提案は満場一致で可決しました
代表者は長たちの血族又はそれに近しい者に限ります、場所は人族の王都と決まったのでした
ーーーーー
それから時が経ち、八種族の代表者が集まる日がきました
人族から事前に連絡があり当初の予定より三日遅れての召集でした
「サタン様、召喚の期日がきましたが、如何なさるおつもりですか?」
サタンとは悪魔族の長である、人によっては『ルシファー』と呼ぶ者もいる
そしてサタンに話しかけたのはサタンの秘書である『アメリア』です
「召喚? あ〜種族代表のやな! 今日やったっけ?」
※注 サタン様がなぜ関西弁なのかはスルーしてください
「元々は三日前でしたが事前に連絡があり本日に変更されました」
人族側の受け入れ施設に何かしらの不都合があり、三日後の今日に変更されたのだった
「で? 代表者は何処におるん?」
「……まだ決まってませんが」
※注 この世界のサタン様は少しいい加減な方で、すっかり忘れていたなんて事は絶対に秘密です!
「で? 候補者は?」
「……何も決まってません」
「そらアカンやろぉ、アメリアちゃんらしくないなぁ〜」
「コホンッ! サタン様が三日前に『俺に任せときぃ』と仰ったのを鵜呑みにして信頼した私がバカだったのでしょうか?」
※注 サタン様は少しいい加減な方なので、
「し……知ってたしぃ! アメリアちゃんを試しただけやしぃ!!」
「……では誰をご指名ですか? 種族の代表者です、それ相応の方を送り出さなければ悪魔族の威信に関わりますよ!」
「ほな! ○○君で!」
「彼は前線だった街で復興の管理を任せてます……」
「ほな☓☓君で! アイツなら大丈夫やろ?」
「彼はこの国の財政改革担当で外す訳にはまいりません!」
「ほ……ほなら、■■さんは?」
「先月できちゃったが発覚し、入籍したばかりです……って、何もお考えになってなかったのですね!」
「……アメちゃんごめんや、怒らんといてぇなぁ〜」
※注 サタン様は悪魔族を代表する、それはもう高貴な御方なのですがかなり残念な御方の様です
『ムムムム……誰かいないか、身内で代表を任せられる……そ、、そやっ!』
「おったおった!おったやないかい!」
「サタン様! その方の名は!?」
「ア・ギ・ト! アイツで決まりや!」
「あ、あ、、アギト様ぁぁぁぁぁぁ!?!?」
ーーーーー
悪魔族『アギト』、悪魔族の長『サタン』の
サタン様の一族はあまり子宝に恵まれず跡継ぎ問題が絶えないくらいでした
そんな中で産まれた数少ない男の子であるアギト君は国を挙げての祝福をされ
その成長には悪魔族全ての国民の希望が託されました……
でも彼は……
悪魔族アギト、戦闘力ゼロ・甲斐性ゼロ・金なし家なし女なし
クソが付くほどの女好きだったのである!!
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