第一回

姫さま脱走中!! 〜魔王城に誘拐されましたので脱走してやりますわ!!〜 作者 丈藤みのる

「ヨミエル、『姫様脱走中!!魔王城に誘拐されましたので脱走してやりますわ!!』って小説、読んだけどめっちゃ良かったですわー」


「そうだな、自分もあの様な作風は好きだ。特に主人公のシーラ姫、軽い口調と性格が良かったな」


「物語のハードボイルドな展開も良いよね」


「さて、この物語を読んで自分は『コメディの面白さに包まれた、渋い魅力』を感じた」


「あら、それじゃヨミエル、その渋い魅力とやらを教えて欲しいっすわ!」


「……まず、この物語を端的に説明するとシーラ姫と言う一国の姫が魔王軍に攫われる所から始まる」

「しかし、この攫われたシーラ姫というのが中々に曲者でな、城内を脱走し、フィーラという偽名を使って気ままな生活を送る……まぁ言い方は悪いがだったわけだ」


「そうそう、開始1話で魔王城から抜け出しちゃう位には、そりゃもう凄いんですわっ!」


「ともあれ、コメディ調で繰り広げられる脱走劇が繰り広げられた訳だが、シーラ姫の脱走劇はまだまだ始まったばかり、今度は魔界から人間界へと脱走を図るんだ」


「魔界から人間界へ、もはや脱走というより旅ですわ……しかし、そこは一国の姫様!脱走する際にちゃっかり『犬とメイドと訳あり兵士』の二人と一匹を引き抜いてお供にしたんですわっ!」


「物語の簡単なあらすじは大体これくらいだな……そして、肝心の魅力についてだが……ラナ、本当に……やらないとダメか?」


「あったりめぇですわ!さっきからわたくしはお嬢様口調で魅力を伝えてるじゃありゃしませられるrレん事よ!」


「わかった……なら、いくぞ」



「──しかしこの後の展開を考えたらシーラ姫の旅はエベレスト登山くらい過酷、旅を共にする仲間はそれはそれはマリアナ海溝くらい深かったりする事情もある」


「ですがそこはコメディのタグがついてる作品、物語が深くとも伝え方は某、ドリームの齧歯類のランドの風船くらい軽いっすわ」


「コメディだけどしっかり読むと深く、渋く、作り込まれた世界観が魅力のシーラ姫の物語。これほど読みやすいうえに面白い作品はそうそうない」


「読まなきゃ損ですわ!」


「……アンタがお嬢様口調を真似ると、関西弁に聞こえるな」


「まっ!しばきやがりますわよ!!!!」


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