第5話

キクチがカバンからアイパッドを取り出した。

「これに相手の名前を打ちこめば

それでいいんだ。相手は死んでくれる」

「フーン」

「なんだよ。疑ってるのか?」

「それじゃあ、M市って打ちこんでみてよ」

「なんだって!」

「おれはこの町の人間がすべてキライなんだ。

全員抹殺してくれよ」

キクチは考えもしなかった申し出に

戸惑いを隠せなかった。

「なんだできないのか?」

「少し考えさせてくれ」

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