面白ミステリー『名探偵マコトの事件簿』

naomikoryo

第1話 消しゴム紛失事件

1.名探偵マコト、登場!

 オレの名前は青木 真人(あおき まこと)、小学4年生だ。

 好きなものはミステリー小説とテレビの探偵ドラマ。

 オレは将来、名探偵になる予定だからな!


 え? 「名探偵って予定でなれるものなの?」 って?

 ふふん、そりゃもちろん! だってオレ、もうすでに何回も事件を解決してるんだからな!


 たとえば、「先生のチョークがなくなった事件」(先生が耳の後ろに挟んでた)、「給食のパンが消えた事件」(クラスの大食い男子が2個食べてただけ)、「友達の鉛筆が短くなる事件」(ただの削りすぎ)とか。


 どうだ? すごいだろう!


 ……うん? なんかみんな「それ事件か?」って顔してるな。

 まあ、細かいことは気にするな! 名探偵はどんな小さな異変も見逃さないんだ!


2.消えた消しゴムの謎

 さて、今日もオレは名探偵として学校の平和を守るべく、事件を探していた。

 すると、クラスメイトの田中健太が困った顔でオレの方にやってきた。


「真人、大変だ! ぼくの消しゴムが消えた!」


「なんだと!? それは由々しき事態だな!」


 オレは机をバンッと叩き(先生に怒られた)、すぐに捜査モードに入った。

 名探偵たるもの、どんな事件も放っておけない!


「まずは状況を整理しよう。最後に消しゴムを使ったのはいつだ?」


「えっと……算数の時間かな。そのあと、机の上に置いたはずなんだけど……気づいたらなくなってた!」


「ふむ、つまり消しゴムが消えたのは算数の後だな?」


「そうそう!」


「犯人はこの教室にいる!」


 ……と言ったら、クラスのみんながザワザワし始めた。

 隣の席の学級委員長・早紀(さき)がため息をつく。


「真人……またやってるのね」


「またやってるとはなんだ! これは立派なミステリーだぞ!」


「どうせどこかに落としただけでしょ」


「いや、断言はまだ早い!」


 オレは教室を見回し、鋭い目で現場を調べることにした。


3.名探偵の推理

 まずは健太の机の周りをチェックだ!

 オレはしゃがみ込んで床を確認する。……うーん、消しゴムは見当たらない。

 怪しい。これは誰かが持っていった可能性があるな!


 オレはふと、後ろの席の山本翔太の机に目をやった。

 すると……


「ん? これは……消しゴムのカス!?」


「えっ、ぼくの机?」翔太が驚いている。


「そうだ、犯人はお前か!?」


「ち、違うよ! ぼくの消しゴムはこれだし!」


 翔太は自分の消しゴムを見せた。うーむ、たしかに彼の消しゴムは青色で、健太のとは違う。

 じゃあ、この消しゴムのカスはなんだ?


 ……そのとき!


「ちょっと真人!」


 早紀がオレの背後から声をかけた。


「健太の筆箱、ちゃんと見たの?」


「え? いや、まだ……」


「もー、やっぱりね。ちょっと貸して」


 早紀が健太の筆箱を開けると……


「……あったわよ」


「な、なにぃ!?」


 そこには、健太の消しゴムがしっかり入っていた。


「えっ!? なんで!?」健太がびっくりしてる。


「たぶん、算数の後に筆箱に入れたのを忘れてただけね」


「な、なんだとぉぉ!!」


 オレはガックリとうなだれた。せっかくの大事件だと思ったのに……。


「やっぱりね、ただのうっかりじゃない」


 早紀は呆れ顔。クラスのみんなも「また真人かー」と苦笑いしている。


「ちくしょー、次こそは本物の事件を解決してやる!」


 こうして、オレの「消しゴム紛失事件」は犯人:健太(自分で片付けて忘れてた)というオチで解決したのだった。


4.新たな事件の予感!?

 そんなオレに、次の日、新たな事件が舞い込んできた。


「真人くん、大変なの! うちのクラスのハムスターがいなくなっちゃったの!」


 なんだと!? 今度はハムスター失踪事件か!


 オレは拳を握りしめた。


「よーし、名探偵マコト、出動だ!!」


 こうして、オレは「ハムスター失踪事件」に挑むことになったのだった——!

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