第16話 カズキとツンデレエルフ
「アンタ……私がいない間に、な、な、何してんのよーーーーーっ!!」
「シルヴィア……なんでここに?」
窓ガラスを破っていきなりやってきた乱入者に驚きの声をあげる。漫画とかでよく見るシーンだけど、実際はあたりにガラス片がちらばってクソ危ないな!!
そんな状況でシノンは冷静に言葉を発した。
「……シルヴィア様、お久しぶりです。ですが、カズキ様はお休みになられるところ。あまり騒ぎ立てないでいただけますか?」
「なんですって、この破廉恥メイド! 大体アンタ、その格好はなんなのよ! カズキを誘惑する気満々なのが見え見えよ!」
「……あなたには関係ありません。それより、こんな夜中に彼の寝室に土足で踏み込む方がよほど問題です」
「カズキ様……先ほどは失礼しました。何やら騒がしいですが……シルヴィア?」
騒ぎを聞きつけたセレスティアもやってきてシルヴィアを見て、大きく目をみひらくのだった。
そして、俺を中央に、三人の少女が揃った。
湯浴み着姿のままの聖女セレスティア。
きわどいネグリジェ姿のメイド、シノン。
そして、なぜか今にも魔法をぶっ放しそうなエルフの魔導士、シルヴィア。
三者三様の殺気を放ちながら、激しい睨み合いが始まった。
パーティーを組んでいたセレスティアとシルヴィアはもちろん、シノンとも王都に立ち寄ったときに紹介したので面識はあるはずなのだになんでこんなにギスギスしているんだ?
「まったく、意識が戻ったなら真っ先に連絡くらいしなさいよね! こっちはアンタのためにどれだけ苦労してこれを手に入れたと思ってるのよ!」
プリプリと可愛らしく頬を膨らませながらシルヴィアはそう言うと、ポーチからキラキラと黄金色に輝く葉っぱを取り出して見せた。
「それって……『世界樹の葉』じゃないか!? 超レアアイテムだろ!!」
「そうよ! これさえあれば、どんな怪我や病気も治るって言われてるわ。アンタが死にかけてたから、血眼で探したんだから! ま、無駄になっちゃったけど!」
「お前が『俺のために』だって……?」
ぶっきらぼうに言うが、その言葉の端々から俺を心配してくれていたのが伝わってくる。前の世界では、あんなにツンツンしてて、優しさこそ感じるものの悪態しかつかなかった彼女が『俺のために』とか口にするだと!!
そうか! シルヴィアもこの貞操逆転異世界の常識に目覚めているんだ! だから、俺に対してこんなにやさしく……どうやらこっちの世界ではツンツン少女もツンデレ少女になるようだ。
俺が感動していると、シルヴィアは俺にずいっと詰め寄り、その華奢な体で思い切り抱きついてきた。
柔らかな感触と花の香りに、俺の心臓が跳ね上がる
「うおっ!?」
「とにかく! 無事でよかったわ……もう、二度と私のそばから離れないでよね。あんたは私がまもるんだから。いい、これは命令よ!」
いつもダメ出しばかりだったシルヴィアが抱き着きてくるだと? 以前とのギャップに思わずドキリとしてしまう。
しかし、その甘い時間は長くは続かなかった。俺の左右から、凄まじい圧を放つ二つのオーラが立ち上ったのだ。
「……シルヴィアさん、久しぶりの再会で気持ちが昂るのはわかりますが、カズキ様はまだ本調子ではございません。そのように抱き着けば負担がかかってしまいます。抱き着くのは治癒に精通した私のみに許される行為ですよ」
「セレスティア様のおっしゃる通りです。ご主人様は専属メイドである私が責任をもってお守りするのでご安心ください」
聖女の微笑みを浮かべたセレスティアと無表情に戻ったシノンが俺とシルヴィアの間にそっと割り込み、優しく、しかし有無を言わさぬ力で二人を引き離す。
「あら、セレスティア。やっとカズキに触れるようになったのね。エッチな本での妄想の成果がでたようね」
「シルヴィアさん!! その話は内密にという約束でしたよね!! 違うんです、カズキ様。私は決してエッチな女の子ではありませんから!!」
涙目になるセレスティアににやりと笑うとシルヴィアはシノンに向けて挑発的な笑みを浮かべる。
「シノン……あなたはメイドでしょう。私がいない間もありがとう。でも、今後は私がカズキの世話はするからゆっくりと休んでいいわよ」
「申し訳ありませんが、ただのパーティーメンバーにすぎないシルヴィア様にそのように言われる筋合いはありません」
無表情ながらも俺の腕を掴んでアピールするシノンに一瞬、シルヴィアのハイライトが消えるが、彼女は何やら勝ち誇った笑みをうかべた
「ただのパーティーメンバー? 違うわよ。だって、私とカズキは婚約者ですもの」
「「「……は?」」」
シルヴィアが放った『婚約者』という爆弾発言に、セレスティアとシノン、そして俺の声が綺麗にハモった。
一体何がおきてるんだ?
★★★
なぜかカズキも動揺しているんだよなぁ……
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