第11話 「言った」頻出問題??

 地の文が「~と〇〇は言った」だらけになってしまうという話題、時々見かけますね。

 会話文による「」かぎかっこが連続するのを避けるべく地の文を入れようとした結果、「太郎は言った」「花子が言った」みたいな文が多くなる現象です。

 ほほう、と思って自分の作品を見直してみましたが、「○○は言った」意外と使ってませんでした (ゼロではないです)。

◆◆◆

「とりあえず、宿を探そう。この調子なら、それほど混んでいないだろうさ」

 ジークは、そう言ってローザの手を取ると歩き出した。

「ジークたちは、いつも仲がいいな」

 何とはなしにリューリが呟くと、アデーレは微笑んだ。

「そうだろう? お二人はね、大恋愛の末に結ばれたという話だ。もっとも、私たちが生まれる前のことだけど」

「ダイレンアイなんて言っても、リューリちゃんには分からないんじゃないかな」

 ウルリヒが、肩を竦めた。


 拙作「もう一度生まれたからには死ぬまで生きてやるのだ~幼女魔術師リューリは諸国漫遊する~」より

◆◆◆

 ……のような感じが多いですね。

 自分の場合、地の文は漫画で言えば「絵」に相当するという感覚なので、キャラクターの台詞とアクションがセットになりがちというのがあります。

 そもそも台詞があるということは、誰かが喋っているということが明白なので、一々「○○は言った」って書く必要なくね? とも思う訳で。

 あとは「言った」のバリエーションというか、状況に合わせて「○○は呟いた」「ささやきかけた」「口を挟んだ」などに言い換えたりもしています。

 小さい声で喋っていても、誰にともなく言っているなら「呟いた」だし、誰かに声をかけているなら「ささやきかけた」にするとかですね。

 ただ、自分が書いてるものに関しては「同じ単語を連続して使うの何かヤダ」とか「同じ語尾が続いてるの気持ち悪いな」と思ったりしますが、他の方が書かれたものの場合、意外と気にならないんですよね。

 この辺は絵に例えるなら「絵柄」みたいなもので、「これが絶対に正しい」というものはないと思うし、個人的には、そこまで気にしなくていいんじゃないかなとも思います。

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