第9話:お見合いの日

ついに、ヴェルデン公国のアルフレッド様が到着した。彼は確かに優秀な騎士で、礼儀正しく、誠実な人柄だった。

「ミレーヌ様は、どのような趣味をお持ちですか?」

正装したミレーヌは、心の中で葛藤しながら答えた。

「読書や...薬草の栽培などを」

「薬草ですか。それは実用的で素晴らしい趣味ですね。我が国でも、薬草師の需要は高まっています」

アルフレッドの反応は、ミレーヌが予想していたよりもずっと好意的だった。

「もし結婚をしたら、薬草の趣味を続けていても?」

「もちろんです。ただし、家庭の責任を果たしていただければ」

アルフレッドは誠実で理解のある人だった。しかし、ミレーヌの心は複雑だった。彼なら確かに幸せな結婚生活を送れるかもしれない。しかし、それは自分の夢を諦めることを意味していた。

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