第2話 学生失格

 チャイムが鳴って授業が終わり、昼休みになっても、点数から逃れることはできない。


「俺70点だったー。マジ死んだ」とか

「あとちょっとで平均じゃん。どんまい」とか

「うちが勝ったー。おつかれ(笑)」とかいう声が飛び交う。


 僕は決して、勉強をサボっているわけではなかった。授業は聞いているし、最低限ノートは書いているし、テスト前でなくても演習を重ねていた。


 でも、全く分からない。だから、先生に質問しようと思ったのに、毎回へにゃりとした笑顔で「また今度な」と言われてしまうのだ。


 もう先生にも見捨てられ、同級生にとっては空気以下。親は住まいを用意して、お金を毎月送ってくるだけ。


 もはや、学生失格。親の世話になるだけの寄生虫。誰かの役に立つこともない、存在意義がない物体。


 意味がないなら、存在する必要なんてない。


 どんなに馬鹿な僕でも、その真実を知ることができた。


 知ったからには、実行しよう。真実を見なかったことにはできない。

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