第3章 神級薬師テラノ

第37話 改良改善

コンクリート造りの床に等しい硬さで水も漏らさぬ土間のポーション製造所を作った僕は大量に薬液を作るために巨大な釜を作り、巨大な竃を作った。匂いや熱を逃がす換気装置を設置した。

ポーションの材料である貴重な【モンスター・キラー・ホエール】の血液だけではもったいない。肉や骨や内臓なども利用出来ないか色々試していった。その結果として、ただの【薬草】という名のそこら中に生えていて何時でも誰でもが採取できる薬草を適度な量を加えることで大量に採れる肉や皮や骨や内臓までもが余すことなく利用することが可能になった。僕は早速ギルドに報告してレシピをコピーして王都に転送して貰った。

これには大いに感謝された。


だけど【モンスター・キラー・ホエール】と【ナデモ草】と【薬草】を煮ただけでサラサント病の特効薬が作れるわけではない。僕が作り出した聖水で、85℃の温度を保ったままサラサント病が治るように願いながら、生臭さと青臭さが消えて薬液がブドウ味になるように祈りながら魔力を注ぐ。注ぐ時間はピッタリ20秒。少しずれただけで効き目の悪い生臭くて超不味い謎の液体が出来上がってしまうのだ。素材の配合割合は企業秘密なのでここでは伏せておく。

王都に送ったレシピにはしっかりと記入してあるし、ちょっとした注意点も懇切丁寧に記入してある。

このレシピ通りに作れば高性能の特効薬が作れるはずである。

もし出来なかった場合は残念ながら担当した薬師のスキルランクが低いと言わざるを得ない。


サッチャルは10回失敗したがその中でしっかり自分の欠点を修正して11回目には成功している。その後は失敗していない。


ところが、王都からは15人の薬師が挑戦するも誰一人成功していないというではないか!もしかしたら王都には【神級薬師】が居ないのだろうか?


そのことを聞いてみた。

やっぱり【神級薬師】は居なかった。【特級薬師】が最高位だと信じられていたみたいだった。


 というわけで僕は【スナドリダンジョン】に3回潜って【神級薬師】のスキルオーブを3個と【モンスター・キラー・ホエール】の素材3体分とヒヒイロカネの刀を1振り王都に送った。

 その後に潜ってもヒヒイロカネの刀は宝箱には入っていなかった。代わりにミスリルの剣が2本入っていた。個数制限が有るみたいだ。


【神級薬師】のスキルオーブも出てこなくなって代わりに【神級錬金術師】のスキルオーブが入っていて僕が使った。


そのおかげでポーショ作成釜をもっと熱伝導率、魔力伝導率の良い物に作り直すことが出来た。

材料を煮出す時間を35秒短縮して更に、魔力付与時間を15秒に短縮出来た。合計40秒の時間短縮が出来た。

たった40秒と言うかれ。無心で作成に集中することは想像を絶する難行苦行なのだ。


王都から無事3人の【神級薬師】が誕生して僕の作ったものと同等のポーションを作ることに成功したとの知らせが来た。

これで一安心だ。

今後は依頼された100万本作り上げることに集中しようと思う。

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