9曲目 天国へ「落ちる」

タイトル:翡翠のまち

歌:初音ミク

作詞・作曲:メル

URL:https://www.youtube.com/watch?v=pgJcij8YUsY&t=1s

初聴:高校3年(2017)

蓬葉No:758

蓬葉階級:3つ星/6つ星 




 有名曲ですね。

 ポップな音程、リズムに見せかけて、どこか鬱がのぞくような曲調です。

 この曲を聴いたのは高校2年のころ、時期的には修学旅行を終えたころで、音楽史的にはナユタン星人の侵略を受けていたころです。また、同時期「君の名は」が流行っており、その曲も聴いていました。さらに、2曲目で紹介したはるまきごはんさんの楽曲が同時期に栄えています。その中にあってメルさんのこの楽曲は、当時世間的に有名な曲の一つでした。

 メルさんの曲は、これ以前に「さようなら、花泥棒さん」、「夏のメロウ」を聴いています。こののち、「渦をまく夕方」、「プラトニック・ラヴ」などが続き、大学時代最初期までのボカロ文化を支えました。


 

 メルさんの曲は、深い記憶を思い出させるような曲です。

 まず、1番と2番の間奏を聴いていただきたいのですが、この部分は何度も何度も聴き返すくらいには好きな部分です。カントリー感……というのでしょうか。私は、今でこそ(いやいやながら)都会にいますが、生まれた場所は森がある場所で、育った場所は田んぼだらけの場所でした。さらに、私が言葉を覚える前から聴いていたカーペンターズの楽曲をどこか思わせる曲調。強く惹かれてしまいます。


 興味深いのは、「天国へ落ちていく」という歌詞です。

「地獄」なら「落ちていく」とぴったり合いますが、この曲では「天国」に「落ちていく」のです。

 さらにそのあとには、「衝動」という歌詞があります。

 衝動のままに、落ちたということなのでしょうか。その先は、「天国」であり、「地獄」である、ということでしょうか。


 

 さらに、もう一つ面白い歌詞があります。

 

  僕たちはこのまちで

  きっともう一度やり直すことが許されてる


 許されている、という部分。受け身ですね。

 誰によって許されるのでしょう。

 自分自身でしょうか。誰かにでしょうか。あるいは世界に?


 何か大きな過ちを犯した人。

 糾弾されこそすれ、拒絶はされていないというメッセージとして読み取るのは、深読みしすぎでしょうか。




  


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