第1章 「仲良くなりたい!!」1
「ちょっとお話したいんだけど......駄目、かな?」
「えっ、いやいや全然大丈夫だよ!?」
「本当?」
「う、うん!!」
「なら良かった~...」
いきなり私がずっと片思いしている瑞季ちゃんが話しかけてきた。突然すぎてとても慌ててしまった。
いやだってしょうがないじゃん!?好きな人だよ!?逆に慌てないで済むと思う!?
はあ......危な...
「そ、それでどうしたの?」
「あのね......私、もっと楓さんのこと知りたいの。」
「.......へ?」
「そして...もっと仲良くなる!!」
「......な、なんで?」
「え、なんで...ですか?」
「う、うん......」
「私、もっと交友関係を広めたくて!!」
「な、なるほど...?でも...最初が私なんかでいいの?」
「いいの、とは?」
「ああいや...私なんかで、って思ってさ」
「いや楓さんだからこそですよ!!」
「...っえ?私だからこそ?」
「.........あっ!?きっ、気にしないでください!!」
「いやどういうこと!?」
「追及しないでください!!恥ずかしいので!!」
「えぇ!?そこまで言われるととても気になるんだけど!?」
「言わないでくださぁい~~~!!」
「あ、ちょっと~!?」
めっちゃくちゃ慌てた感じでどこかにいってしまった瑞季ちゃん。
というか私だからこそとは何でなんだ......?
「あらら...逃げちゃったか。」
「あ、霊。」
「戻ってくるなり顔赤くした瑞季さんとすれ違ったから何事かと思ったわ。」
「あはは.......」
「どうしたのさ?」
「ちょっと喋ってたら瑞季ちゃんが楓さんだからこそとか言い出してさ。」
「ん?.......あ、そゆことかぁ。」
「それをちょっと追及しちゃったら逃げちゃった。」
「まあそりゃ自爆して恥ずかしくなったら逃げるわな。」
「自爆?」
「え、自爆したんじゃないの?」
「え?」
「...え?」
「......どゆこと?」
「.........ああうんいや、独り言だからもう気にしないで。」
「そんな言われ方したら気になるんだけど。」
「知らない方が身のためだと思いますハイ......」
「えぇ...?てか急に敬語にならないでよ怖い。」
「あはは......」
なんか濁され方がすんごい気になる。
まあ追及したところで霊のことだしどうせはぐらかされるだけだしもういいけど。
というか...仲良くなりたい、か。
もしそうなったら嬉しいけどどうなるのかなぁ...
あっちからだけじゃなくて私からもアプローチしていかないと多分駄目...だよね。
......頑張らなきゃ。
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