青春に咲くは百合の花

紅月 零

第0章「とある青春の始まり」

...恋。それは健全な青春を送る男女にとっては一度はしてみたいor現在絶賛している青春の醍醐味みたいなもの......だと私は思う。

いやまあ私が勝手にそう思ってるだけで実際は違うかもだけど......!!


ともかくとして私は今、恋してるんだ。それも......である女の子に。

おかしいって思われるかもしれない。まあそうなるのも仕方ないとは思うけど。

だって私は"普通"じゃないんだから。まあでも、私は普通じゃないからって諦めるなんてことはしないけどね!!


ちなみに言うとこの普通じゃない恋は今のところ皆にはバレていない。

.........ただ一人の幼馴染を除いて。


「ふわぁ......眠い。」

「......昨日いつ寝たの......?」

「ん~?3時。」

「今日じゃん。」

「てへ。」

「てへ、じゃないよ??」


...この眠くなってる人は。私の秘密を知っている唯一の理解者であり、幼馴染でもある。


そして私と同じく恋をしていてまさに青春真っ盛りな男子だ。二人が好きな相手は違うのでよくこうやって話したり恋愛事情について相談したりしている。

まあ、霊の話ばっかりしていても仕方がないし本題に戻ろう。


私が好きな子は同性。...それも幼馴染。.......正直叶うとかは微塵も考えてない。けどまあ想うだけなら別にいいでしょ?まあこの気持ちを零以外に教えたら気持ち悪がられることは正直目に見えてる。きっと避けられたりもするだろう。そんなのを避ける為にもこの気持ちはずっと心の奥底の中。




(所変わって幼馴染である霊視点)

ん~やっぱ楓の奴、悩んでるよなあ......?

まあ事情も考慮したらしょうがない気はするけど。

心無い奴らばっかりなここだと公表することもできないし...

ま、俺は同性がどうとかは何も気にしないから全然いいし相談にも乗るけど。


とりあえずあの二人の紹介...するか。

まずさっき俺喋ってた女子から。名前は『柚野ゆずの かえで』、16歳。

そして彼女がずっと恋心を抱いているのが『狛白こましろ 瑞季みずき』、こちらは既に17歳になった。

どちらも現在高校二年生だ。もちろん俺も。


この二人を端的に表すならまあ...「正反対に見える二人」...だと思う。

まず楓の方はと言うと、"クラスの中心に居る活発な女子"かな。それに対して瑞季の方は外見"は"大人しめな女の子って感じ。


ね、ぱっと見は正反対でしょ?でもね、本当は全然正反対なんかじゃないんだよね~

ま、それはいずれ分かることだし今は言わないけどね。


俺から見ればこの二人は結構...いや、かなりお似合いだなって思ってる。

まあまだ付き合うのかどうかは分かんないし知らないけどね。

まあそんな二人を俺はとても応援してるんだ。




(再び楓視点)

なんだろう、視線を感じた。...霊かな?

「おい霜月~。」

「んえ、何ですか先生。」

「ボーってしてるんだったらこのプリント、運んでくれ。」

「え、めんど......」

「ほら四の五の言わずに手伝え。」

「へいへい、分かりましたよ...」

とか思ってたら件の霊が先生に呼び出されてた。頑張れ~

とか呑気に考えていた.........その時だった。

「ね、ねえ楓...さん?」

「......へっ?」

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