第6話

同日 午後7時過ぎ。



 フォークナーネーム 𝓲𝓷𝓡は、新天地公園の

ベンチで、黄昏たそがれていた。



 近頃、胸躍むねおどるような任務がない

というのもあるが、表の稼業でストレスが実に

たまっていた。リモートワークだったのだけが

救いだった。



 𝓲𝓷𝓡は、少し前まで世界を股に掛けるフリー

ランスの諜報活動員スパイであった。

どこにも所属はしていないが依頼次第で、どこ

でも所属するスタイルだ。



 が、しかし、今の表向きの仕事が難ありで

あった。ストレス、めっちゃ!くちゃに!!

溜まっている。

 今日も、某大陸系の仕事が、連絡遅延にて!

ごたつき、ぶちギレそうになるのを何とか!?

抑え込み、噛み殺して、そうそうに切り上げて

ここにいる。配信したいし‪💢行きたい枠……

あったというのに。




合否の連絡くれーよ!!さっさとよこせ‪💢





[みせられないよおww]が!!

      //

 ヾ(*´∀`*)ノ




 𝓲𝓷𝓡が、また、ムカついてきた。

ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!腹立つ( ´△`)‪💢!



ここまで、違うとこwあったら教えてください

いんりぃさんm(_ _)m修正いたします




 この前、手に入れた[にょにょ]情報、世界

に!ぶち込んで!!大混乱させてやろうか!!

そんな、刹那的せつなてきなことを考えていると………






 小さく、通知音が鳴る。

 来たか。



 𝓲𝓷𝓡が、スマホを出し、ラフォークを開く。

 ヴォイカが、一枚入っていた。



 差し出し人は、




     𝗺𝗲𝗶𝘀𝘁𝗲𝗿 𝐗(マイスター𝐗)






 𝓲𝓷𝓡は、ワイヤレスイヤホンを耳に装着し、

起動音を確認後、躊躇ちゅうちょなくヴォイカを押した。




『ごきげんよう、𝓲𝓷𝓡君

 


 今回の任務は、【名前干し】中のDJおじに

 接触し、DJおじをhshsさせつつ、復帰時も

 DJおじの腕がなまらないように、適時管理

 監督し、今のDJおじを退屈させない。


 

 というのが、今回、頼みたい主な任務だ。



 あと、これは、手を付けれたらで良いがね、

 【百舌鳥もず】に、渡りを付けてもらいたい。

 知っているだろう?𝓲𝓷𝓡君なら。



 では、𝓲𝓷𝓡君の健闘と、達成を願う。


 

 ちなみに、このヴォイカは苦労して、十二回

 撮り直しタ  


---------------------

ここで、ダンディで渋いおじさま声に変わり、




『なお、このヴォイカは、お約束通り3秒後、

 自動的に、焼滅しょうめつする。』




と、流れた。



 どうやら、ここで、ラ・フォークのヴォイカ

の制限時間である、1分30秒を過ぎたようだ。

 三秒後、本当に、ヴォイカは焼滅した。

 カードが焼け落ちるような音と共に。

 芸は、細かかった。あぶくな感じまで、再現

されていた。意味わからんww





     時間内に、納めろよ?

      𝗺𝗲𝗶𝘀𝘁𝗲𝗿 𝐗?





 とは思ったが、多分だが、撮り直ししすぎて

もうイヤになったのだろう(汗)



 十二回は、さすがにキツイ。

 まじで!2、3回、休憩入れるんだからな💧‬

 自己嫌悪で、嫌になるしな( -᷄ _ -᷅ )💭

 声が、なかなかキマらないんだよなあ。



 そして、𝓲𝓷𝓡は、知っている。

 𝗺𝗲𝗶𝘀𝘁𝗲𝗿 𝐗が、天然でwwおちゃめさんなこと

を…………。


 𝓲𝓷𝓡が微笑みの微表情びひょうじょうをうかべ、スマホから視線をはずそうとした時。



 その時、背中合わせのベンチに誰かが、𝓲𝓷𝓡

の真後ろへ、背中合わせに座った。




         !?



 


『振り向かなくていい。𝓲𝓷𝓡君。

 わかるだろう、諾否だくひを聞きにきた』




 ひっそりと、エフェクトをかけた声で、𝓲𝓷𝓡

に語りかけてきた。




 𝓲𝓷𝓡の額に、うっすらと冷や汗が浮かぶ。



 まさか、ここで、𝗺𝗲𝗶𝘀𝘁𝗲𝗿 𝐗直々に姿を現す?

とは。まあ、本人かどうかはお互い様だが。

 諾否だくひとは、受けるか否か?という

意味である。




 途端に、公園の四方八方から、視線と殺気が

飛んできた。𝓲𝓷𝓡は、指一本動かせずにいた。



「受けるわ」



 とたんに、無数かつ四方八方からの視線と、

殺気が、見事に霧散むさんした。

 元の空気感に戻った。相当の手練てだれどもがここに集結しているようだ。



「感謝する、𝓲𝓷𝓡君。

 報酬は、いつもの通りに。



 では…………」


 𝗺𝗲𝗶𝘀𝘁𝗲𝗿 𝐗が、すっ……と立ち上がったように

感じた。いまだに、𝓲𝓷𝓡は視線を動かせない。




「これは………、そのおぉ……別件なんだが、



 あの………………………

 あのね、ぼく………………、𝓲𝓷𝓡君にね……

 いいや、𝓲𝓷𝓡おねーさんにね💦💦」



 え!?おねーさん!?



 「個人的に、お願いがあるんだ!!!?」



 ここで、𝗺𝗲𝗶𝘀𝘁𝗲𝗿 𝐗が、エフェクトを切った。




 少年とも青年とも言えそうな声。

 初心な少年が、想いをよせるおねーさんに、

思い切って打ち明けようとしているかのよう。




えええ!!?



 𝓲𝓷𝓡は、驚愕きょうがくした。

 好みの美青年声だったからだ💦

 雷⚡️に打たれたかのような衝撃が𝓲𝓷𝓡の胸

をつらぬく。しかも、この声で𝓲𝓷𝓡おねーさん

と、きた。




 え♡!!!Σ(゚ロ゚!(゚ペ?)???



と、えも言われぬ複雑で不可解な感情が、𝓲𝓷𝓡

の胸の内で、吹き荒れる。



 何を言い出すのだろうか!?




「ぼ、ぼくね👉🏻👈🏻‪‪💧

 えーっと👉👈えっと、𝓲𝓷𝓡おねーさんとね

 〇しろーで、晩御飯たべたい!!!!」



 ………………………。



  だが、𝓲𝓷𝓡は



「おねーさんでいいの??

 だいじょぶ?」



 完全に、おねーさんモードへ突入!したww。



 𝓲𝓷𝓡のおめめは、きゃわわ♡♡なものを見る

目に変わっていた。

 まだ、見てもいないのだがwwww




「ぼく、おごります」



 ここで、意を決したように𝓲𝓷𝓡が振り返る。



激震レベルで、ドンピシャ好みであった。



 サラサラ黒髪ヘアーをセンター分けにして、

眼鏡をかけた、黒髪眼鏡仔犬系男子が𝓲𝓷𝓡を、

チラ見しつつ、恥ずかしさに身をよじるように

一見、地味なのだが、きちんと細部を見れば、

かなりの高級スーツにその身に包み、𝓲𝓷𝓡の前

に立っていた。



 𝓲𝓷𝓡の胸の内に、なんともいえぬ……感情が

ざわつく。



 春のそよ風のような、繊細で爽やかな美少年

が、目の前にいる。いいスパイの目は、その男子が、

シークレットシューズで身長を、かさ増しして

いるのを見抜いた。



 また、すし□ーとかいうとこが、たまらなく

可愛らしかった。メロメロに、うちのめされて

しまった、と、いってもいい。



「そういうときは、おねーさんに甘えて♥️



 おねーさんが、お腹いっぱい食べさせたげる

 からいいのよ?わかった?」



 もう、全開だった。



「うん♡♡」




 このあと…………



 二人は腕を組み、胡町方面へと消えていった

のだった…………。




 すし□ーに行ったと信じたい…………

 舟入のす〇ローに。

 路面電車デートか?タクシーで、まっすぐに

向かうか?



 まあ、詮索はすまい。



 だが、この男子が、本当に?𝗺𝗲𝗶𝘀𝘁𝗲𝗿 𝐗なのか

は、誰にも分からない。


 もしかすると……

𝓲𝓷𝓡への報酬とは……………

いや、これ以上は野暮というものだろう。





そう、報酬のことを知っているのは、この世で

𝓲𝓷𝓡と𝗺𝗲𝗶𝘀𝘁𝗲𝗿 𝐗二人だけの取り決めなのだ。

真実を知るのは、𝗺𝗲𝗶𝘀𝘁𝗲𝗿 𝐗と𝓲𝓷𝓡だけ。








 がんばれ、𝓲𝓷𝓡君!!

君の健闘を、心からいのるwwww



 いい夜を…………。



 なお、今、登場している𝗺𝗲𝗶𝘀𝘁𝗲𝗿 𝐗はww成人

しています。









        合法です。


















 









 











 





 




 



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