第2話
私とお母様はキラキラしたものが大好き。
「必ず上手くやるのよ、私の可愛いお姫様」
私たちは今日も指や頭や首に豪華な宝石をまきつけて、美をひけらかす。
「お金さえあればずっと幸せでいられるんだからね」
お母様から教わったことは
″人は裏切ってもお金は裏切らない″
″中身が大事というけれどお金も中身″
″女は金持ちとの子を作ることが仕事″
この3つ。
大きな屋敷の前に馬車が止まると、美しい貴公子が手を出してくれて、私もお母様も彼の手を取って馬車から降りた。
私は微笑むと貴公子から目線を、貴公子の父親に向けた。
父親は私に気付くと優しい笑みを向けて、お母様の手を取って屋敷へとエスコートした。
ああ、お母様。
この瞬間だけは宝石やお金みたいに手が届くものなんてちっぽけに思えてしまうわ。
そりゃ綺麗なものは大好きだけど、大好物だけど。
私が欲しいのは美しい貴公子じゃないの。
でもね、上手くやると約束したから大丈夫よ。
きっと私の技で手に入れてみせるんだから…。
なんたって私は、お母さまの子だからね。
獲物は何があっても逃さないわ。
例えそれが許されない相手であってもね。
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