第14話
「なんか今日のお前ツヤッツヤしてんな。女か?」
コーヒー片手にそういうのは、同期で仲の良いアロイスだ。俺はアーロと呼んでいる。
「いや、まぁ……うーん、そうだな。あ、こないだアーロが言ってたんだっけ?電車で女の子とキスすんの見たって言ってたの」
「そうそう!気になってたんだよ」
「ベストショット用意したから見せてやるよ」
アーロはベストショットと聞いて、色めきだっているようだった。スマホの中から、事前にベストショットをスクショしなおしたものを見せる。その写真の中では、弦が花畑の中ほんとうに花が綻ぶような顔をしているものだ。
「おーかわいい……けど写ってる子相当若くないか?せっかくなら最近の大人な彼女の写真見せてくれよ。ヤってる時の写真でも俺は一向に構わないぞ!」
「もしあったとしても、お前には絶対に見せないから安心しろ」
そんな会話をしながら、このベストショットを選んだ時の状況を思い出す。最近は弦との交流があるはずなのに、写真はなんでかないので昔の写真を見せるしかなかった。たしかに、弦の姿は見てないな。
「もっと無いの?ていうかお前の彼女って相当物好きなんだな。どんな子なの?ていうかどこで出会ったの?あ、付き合ってどれくらい?」
「質問多いわ。
「そんな何回も言わなくても、可愛いのは見たらわかるわ。てかお前もなんで付き合えたかわかんないのかよ」
わからない。正直、幼馴染で仲は良かったと思うが、それ以上の理由が特に見つからない。
「まぁお前も見た目は悪くはないからな。くそ、これだから見た目のいいやつは……」
アーロが恨み事を吐いているが、俺の見た目は隣にいつも弦がいたからかあんまり良いとは思えない。中の下くらいだと思う。そんなことを話していると、もう1人の同期であるカレルが会話に混ざってきた。
「彼女の話?俺も聞きたい」
「カレルー!聞いてよ。年1で鬱になる変人がこーんな可愛い子と付き合ったんだって!!」
そう言うと、アーロは俺のスマホを奪ってカレルに写真を見せつけていた。
「この人?っていうかこの子?会社の前立ってこっちじっと見つめてたよ。どうされましたか?って聞いたらどっか行ったけど」
「マジ?俺も見たかったなぁ。実物もめっちゃかわいい?」
「可愛いに決まってんだろ」
アーロの質問に俺が真顔で答えたのに、華麗にスルーされた。
「かわいいけど、なんか生気を感じないっていうか不思議な子だったよ。ていうか俺らもう27なのに、ヒジリはティーンと付き合ってるのか?犯罪じゃないか?」
「え」
ティーンという言葉に思わず、アーロが驚いている。
「お互いに愛し合ってるから犯罪じゃ無いよ。それにお前らよくアジアンのことティーンって言うけど、俺らだって大人ですぅ」
「それに写真から何ひとつ変わってなさそうだったけど、日本人ってみんなそうなのか?もしそうなら、俺の彼女にも教えてあげたいから美容方法教えてほしい」
「ないない。俺らだって老けるよ。たまたま弦が変わらないだけ」
そう答えると、2人は俺があんまり弦のことを喋りたがらないと思ったのかこの話題を避けた。俺、なんか変なこと言ったかなぁ?
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