第5章 小さな祈りが世界を変える

5通目の手紙|「生きる意味って、どこにあるの?」


未来の僕へ

最近、テレビや新聞のニュースやを見るたびに、

世界は苦しいことで溢れてるって思う。

戦争、災害、いじめ、自殺。

誰かが泣いてる。

僕にはどうすることもできなくて、

ただ流れてくる情報に、息が詰まってしまうんだ。

僕が生きてる意味って、どこにあるんだろう?

誰かを救いたいって気持ちはあるけど、

そんな自分が、まずは誰かに救ってもらいたいとも思ってる。

君は、どうやって「世界」と向き合ってる?

生きるって、結局自分のことだけで精一杯にならない?



5通目の返事|「君が生きているだけで、誰かは救われている」


アラタへ

世界の重さに押し潰されそうになる夜、

僕もたくさんあったよ。

でもね、ある日ふと思ったんだ。

「誰かを救いたい」って気持ちは、

実は“誰かに愛された記憶”の裏返しなんじゃないかって。

僕は、それにちゃんと名前をつけたかった。

「Harmony Process(陰陽和道:いんようわどう)」──

喜びも悲しみも両方受け入れる力のことだ。

自分の痛みから逃げずに、それを学びに変える。

そうやって、自分の中で調和を育てると、

それが小さな波紋になって、人へと広がっていくんだ。

チャリティライブ、被災地レポート、セミナー、対話の場──

僕は完璧じゃないまま、できることを続けてきた。

そして気づいたんだ。

「世界を救う」なんて大それたことじゃなくていい。

今日、自分の機嫌をちゃんととって、

誰かの話をよく聴いて、

小さな感謝を口にする──

それだけで、十分“世界をよくする”ってことになる。

アラタ。

君が明日、生きて学校へ行くだけで、

きっと誰かが救われてる。

それは君が気づかない場所で、静かに起きてる奇跡なんだよ。

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