5 , 推しに出会えました…!?

「あっそうそうまだ言って無かったんだけどアリスターお兄様に新しく護衛が着いたのよ〜! 私達と同い年で今年一緒に学園へ入学してくるんだって!」

「へ〜アリスター様に新しく護衛の方が…で、どんな方なの?」

「えっとね〜」


そうして2人が話していると不意にドアが開いた。


「遅くなってすまない。 少し書類作業が長引いてしまってね」

「あ! アリスターお兄様! お疲れ様ですわ。」


アリアはササッと髪や服を整えてから椅子を立ち、綺麗なカーテシーをする。


「お久しぶりです。 アリスター様。」

「ああ、アリア嬢か。 久しぶりだね、君はいつ見ても綺麗だね。」


アリスターがニコッと微笑むとアリアの顔が少し赤くなった。


アリスターが中へ入ってくるとさっき2人が話していた新しい護衛の方が入ってきた。


途端にその人物を捉えた私は固まってしまった。


「……………………へ?」


中性的な見た目に肩まで伸びた白い綺麗な髪、アクアブルーの綺麗な瞳……間違いない。

あの人はどう見ても私の前世での大好きな最推し。

だ。





 ●●●





「紹介する。 隣にいるこいつは新しい護衛のリュカだ。」

「え、えっと! アリスター殿下に新しく護衛に着きました! リュカ・ベランです! よろしくお願いいたします!!」

「初めまして。 アリア・キャインです。 今年から私達と同じく学園に通うと聞いたのでどうぞこれからもよろしくお願いします♪」

「…………………」


私が沈黙でいるのでアリアが心配そうな顔をしてこちらを見ている。

でも…私は今それどころでは無い。


―― え?リュカ様!?!? 本物!? 私の都合のいい夢とかじゃない!? 学園に入ったら会うと思っててめっちゃ油断してたー!!


でも私はハッと我に返り挨拶しなくてはとカーテシーをした。


「初めまして。 ルリア・キャインです。 よろしくお願いしましゅ!」


そこで私は1番最後に緊張しすぎで噛んでしまった。

私が顔を真っ赤にしているとフッっていう笑い声が聞こえてきた。

どうやらリュカ様は面白かったらしい。体がプルプル震えている。

リュカ様が少しコホンとした後口を開いた。


「よろしくお願いします。 知り合いに今年入学の方が出来て良かったです。 これまで魔法騎士団に入る為練習しかしてこなかったもので…中々友達もいなくて…」

「じゃあ同じクラスだったら沢山お喋りしましょうね! 違くても遊びに行きます!!」


私は知り合いと言われたのが嬉しくて思わず言ってしまった。


「…はい。 僕なんかで良ければ」


はにかんで答えてくれた。


―― くぅ…リュカ様が可愛い…!!


自己紹介をした後みんな席に着きたわいもない話していたらあっという間に時間は過ぎ、我が家の迎えの馬車が到着したので解散となった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る