第27話 え、前田って女優なの?マジ?

 ううばしゃあああああああァァァァ!!!!!!オレは鳴理金次郎っつってんだろォォォォォォ!!!!!!!





 なんかよ!前田が急に自分は女優とか言ってきたよ!


「え、おま、女優なん?」


「はい、実はそうなんです。女優の前田穂乃果なんです」


 ん?前田穂乃果?なんかどっかで聞いたことあんな?


「えーと………前田穂乃果ってどんな奴だっけ?」


「……………え?知らないんですか?」


「悪りぃ!オレ女優とかあんまし知らねぇんだわ!」


「そ、そうなんですね………じゃあ………」


 するとッッッッ!!急に前田は眼鏡を外し!そして三つ編みを解き始めた!!


「この格好だと分かりますか?」


 と言う前田!その前田に対し、オレはこう言ったぜ!


「ん?……あ〜〜〜、どっかで見た事あんな〜〜〜!あれかな?テレビかな?なんか見た事あんな〜〜〜!」


「え、あの……誰だか分かりましたか?」


「あ………えーと、すまん分かんない」


「え…………」


 前田は膝から崩れ落ちた!!


「うお!?ちょ!?大丈夫か!?」


「は、はい……大丈夫………です………」


「そういうばお前、なんでそんな事言うんだよ……なんか理由あんのか?」


 すると前田は、ハッ!と何か思い出したかの様な反応をして立ち上がったぜ!そして話し始めたぜ!


「鳴理さん………財布を盗んだって噂されてますよね」


「ッ!!!」


「私は鳴理さんの味方です!みんなが鳴理さんを疑っていても、私は鳴理さんを信じます!鳴理さんはやってないんですよね!」


「お、おう!!当たぼうよ!」


「ですよね!なら……………私が一番ですよね?」


 急に!!前田の目がマジになる!!


「……え、一番?なんの……」


「何って…………友達として、ですよ♡」


「へ?友達?」


「はい♡この一件で多分鳴理さんの味方は居ないと思います♡なら……私が鳴理さんの唯一の友達ですよね♡♡」


 な、何言ってんだ?


「そんな……オレの友達がオレを見限るわけ……」


「いや、見限りますよ。絶対に。だって、さっきのお弁当屋さんの亜羅さん、鳴理さんの事卑屈な目で見てましたよ」


「……は、はぁ!?いや、銅四郎がそんな……」


「きっと心では『どうせ盗んだんだろうけど、恨み持たれるのも嫌だから味方のフリをしよう』と考えているんだと思います…」


「な、何を………」


「学校に行ってもきっとそう思ってる人しかいません………でも、私は、私は違います!私は鳴理さんの唯一の!本物の友達です!そう……………一番の……一番の友達なんです!!!」


「おい!落ち着けよ前田!なんかお前今日おかし……」




 突然!!!!!!そう突然!!!!オレは、オレはなんと!!キスされた!!!



「ふふふっ……女優のキス……どんな味ですか………♡」


「な、ななななななな!!何して………!!」


「大丈夫!有名人の私が貴方の側に居れば、他の人達は鳴理さんに手出しできませんよ!!」


「おい!!オレの一番の友達は銀ざぶ……」


「私、鳴理さんだーーーーいすき!!!」


 そして抱きついてきた!!俺らはその場に倒れ込む!!前田が上に乗っかり!!俺が下だ!!しまった!不利な状況だ!!


「私が鳴理さんの一番の友達………ふふふふふ………フハハハハハハハハハッッッッ!!!もう我慢できません!!!!このまま、鳴理さんを…………鳴理さんを……!!!」






 とその時ッッッッ!!!!



「お兄ちゃん!!!」


「金次郎くん!!!」


 妹の霧子と銅四郎が助けに来た!!

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