第2話 めんどくさがりの私でも、続きそうな方法を考えてみた話
私は、めんどくさがりだ。
気分が乗らないと、いつもの時間に起きれなくなるし、欠食するし、夜はスマホばっかり眺めて、ダラダラ過ごす。
何かを始めることは好きだけど、続けるとなると話は別だ。
そもそも熱しやすく冷めやすいし、がんばりすぎたらすぐ疲れて、嫌になって投げ出してしまう。
何かを始めると同時に「どうせまた途中でやめるんでしょ」と、心の中で自分にツッコむけれど、新しいことならではの高揚感が楽しくて、気がつくと始めてしまう。
ーーそして、続かず。
落ち込む。
続けられない自分を責めても昏い気持ちになるだけで意味はないけれど、やっぱり責めてしまうし、最近では、新しいことを始めたくなったときから、「また時間の無駄を始めてるなぁ」なんて思ってしまう。
そんなめんどくさがりの自分を変えたくて、本も読んだし動画も見た。
改善する努力を私なりに続けてみた。
がんばって、がんばって。
がんばった。
なのに、仕事でトラブルが続いたり、プライベートでも落ち込むことがあって、本当に疲れ果ててしまった。
ーーそんなとき。
続かない自分を変えるのではなく、続かない自分で続けられるようにする方法ってないのかな?
そんな考えが、ふと浮かんだ。
これだけ、がんばって自分を変えれないなら、もうどうしようもない。
それが、私なのだから、仕方ない。
よし、諦めよう。
続かない私を認めたことで、まずは気持ちが楽になった。
気持ちが楽になったから、何となく面白そうな思いつきが湧いた。
私は、文系だけど、分析とか数値化が好きな質だ。
そうだ。研究対象にしてしまおう。
自分自身を。
それなら、研究家って言ってもいいだろう。
楽しむために、肩書をつけよう。
そう思って考えた候補のひとつが、【ゆる美研究家】。
ゆるい美意識、You will be……。
そんな遊び心がある感じの名前。
大それた意味はなく、「なんかいい感じの私」を探すための、ちょっとした名札みたいな研究家という呼称。
いいじゃないか。
「気分がいい日って、何が違うんだ?」とか、「んー。今日の私は、なんだかいまいちな感じかも?」といった曖昧な感覚を観察して、「昨日は夜ふかししたから、今日は顔がむくんでるのか?」とか、「朝、起きてからストレッチしたら、肩が軽いや」という出来事を振り返る。
そうやって、いつもの日常を“研究”という目で見てみれば、なんでもないことが、少し面白く感じてくる。
正解はないし、途中で飽きてもいい。
飽きて一旦やめても、「これは研究中の出来事だから」と思って、気が向いたときにまたやればいい。
なんだかそのゆるさが、自分にはちょうどよくて。
“ちゃんと”やらなくてもいいと思ったら、やってみようという気持ちが、戻ってくるのだ。
自分に肩書をつけたからといって、劇的に何かが変わるわけじゃない。
でも、「また、続けよう」って思えたこと自体が、嬉しい。
そんなふうに自分とゆるく付き合いながら、今日も【ゆる美研究家】をしている。
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