第16話 ミリアの妊娠

「聞いてくれ、マックス!俺、ジェシカと結婚するんだ!ひゃっほーい!」


 狩りに行く途中のジャミルがはしゃいでいる。ジャミルが結婚か。それは目出度い。


「よかったな、ジャミル」

「ジェシカはゴブリンの苗床にされていたのを気にしていたけど、俺がしつこく口説きおとしたんだ!」

「そうか、ジェシカには幸せになって欲しいな」


 人生辛いことばかりじゃないよ。


「おいおい、俺も幸せになるんだよ!はっはっは!」

「そうだな」


 俺たちの狩りは調子が良くて大猟だった。家に帰るとミリアが吐いていた。


「ミリア、大丈夫か?!何か変な物でも食べたか?といっても料理してるのは俺だしな……」

「ううん、マックス。あたし、たぶん赤ちゃんができたみたい」

「な、何だって?!赤ちゃん?!やった!やったな!」

「ミリアお姉ちゃんおめでとー!」

「ありがとう、二人共」


 俺とミリアの間に赤ちゃんができるなんて夢みたいだ。妖狐と人狼の間にも子供は生まれるんだな。


「今日は肉じゃがにするか。ミリア好きだろ?」

「あたし肉じゃが大好き!」

「私も食べる!」


 ミリアとアンネが嬉しそうだ。俺は料理する。機嫌が良いので鼻歌が出る。


「はい、できたぞ」

「さあ食べましょう。うん、美味しい!」

「美味しいね!」


 晩飯を食べるとアンネは自分の家に帰って行った。

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