メッセージ来た

 サイトにログインする。やっぱりマッチングしている!ヨーロッパの教会の前に立つネイビーの服を着た人っぽいぼやけた写真。わたし仏教徒だけどいいのか。カトリックの場合避妊してもらえない可能性があるから危険ではないか。プロフィールに宗教を書き込むところはなかった。必要な項目ではないか。って気にするのはそこじゃない。なぜわたしは見たこともない人とえっちなことをしようとしている!落ち着け!


 プロフィールを開くと45歳の人だ。歳が近ければ話が合いそうだ。職業や年収や身長が書かれてる。でもそのあたりはへぇーぐらいで終わる。結婚相手探しではないのでこだわりはない。わたしの場合結婚相手すらこだわることなく旦那と結婚した。先輩に旦那を紹介されたときすぐに断った。服装がジジくさかったし、話が噛み合わなかったからだ。でも先輩やその友だちに説得されて付き合い、そしてなぜか結婚してしまった。あのときしっかり断っていれば今ごろ幸せになっていただろうな。旦那のことは遠くに捨てておいて、今は問題なのはマッチングしたことだ。


 また通知音が鳴る。メッセージを受信したらしい。震える手でメッセージを開いてみる。


「ミツさんはじめまして。写真の雰囲気に惹かれました。よかったらお話しましょう。」

 

ミツとはマッチングサイトでのわたしのニックネームだ。秘密のミツ、甘い時間がいいと思い花の蜜のミツ、三ツ星レストランのミツ、本当のわたしをみつけてのミツなのである。我ながらよく考えた名前だと思う。プロフィールには玄関にある全身がうつる鏡で自撮りした胸から太ももまでの写真を使った。ワンピースを着てる時に撮ったのでワンピースしか分からないと思うけどそこは置いておこう。でもそこを置いておいたらなんて返信すればいいんだ。


 返信の仕方を検索しよう。スマホは不倫の味方である。

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