既読が付かない!

ロキ-M

デート前夜

「ん~・・」


「・・・あんたねぇ、お風呂から上がってずっと机の前で何やってるの?そろそろ寝たいんだけど。」


「明日の笑顔の練習。」


「・・は?」


「だって!やっと勇気を出して告白してお付き合い出来る様になって明日は初デート!彼には私の最高の笑顔を見せたいじゃない!!」


「だからって鏡見ながらそんな練習しなくても・・そんなもん、作るものじゃなくて自然に出てくるでしょ?」


「いいじゃん・・明日はお姉ちゃんもデートでしょ?先に寝てて。」


「1部屋で2段ベッドなんだから、そんなん無理に決まってんでしょ。部屋は明るいし気配が気になるわよ。」


「・・けど羨ましいな・・お姉ちゃんは告白された方だもんね。」


「まさかの両片思いは予想外だったけど・・ね。まぁ私は気になる程度で自分からって程では無かったけど。」


「余計に羨ましい・・」


「けど!あんたの方は選び放題だったじゃない。毎日のように告白されてはちやほやされて。そっちの方が羨ましいわよ!私なんて女でなく男として見てる奴らの方が多いんだから。」


「それも大変だけど、毎日の様に断る方の身にもなってよ・・清楚可憐のイメージ崩さないように、生理的に受け付けない相手にも傷つけないように断ってって・・おねーちゃん、笑いすぎ!」


「ごめん・・自分で清楚可憐って言うからつい・・あ〜笑いすぎて苦しかった。けど、成績・スタイルもそれなりよくて運動神経も人並みにある。更に誰にでも気遣い出来るとか・・男からしたら、将来の良妻物件に見えるわよね。」


「私はお姉ちゃんが羨ましいよ。超前向きなポジティブ思考、勉強は赤点常連、先生泣かせでも運動神経とスタイル抜群。その見た目によらず料理に裁縫、家庭的な事は何でもござれ!だもんね。せめて料理の腕、半分位欲しいよ・・」


「本当に壊滅的だものね・・あんたの炊事・洗濯・掃除。将来大丈夫なの?」


「彼にやって貰うからいいもんっ。」


「ダメだこりゃ・・」


「けどそろそろ本当に寝なきゃね。で、お姉ちゃんは明日は何処行くの?」


「遊園地。あんたは?」


「水族館。なら、行きは殆ど一緒に行く事になるね。」


「そうね・・どうせ待ち合わせも開園30分前でしょ?それにしても道路挟んで対面に遊園地と水族館があるなんて、なかなかないわよね。」


「便利だけどね。そういえばお姉ちゃん、遊園地にはスカートで行くの?」


「変?」


「部屋ではいつもジャージ、お姉ちゃんが制服以外でスカートで外出って・・初めてな気がするから正直びっくりしてる。けど、乗り物によっては気にならないの?」


「折角なら女の子アピールしたいじゃない・・ミニスカでなく膝下だし何とかなるわよ。そんなあんたはパンツスタイルなんだ。」


「好きな人以外に余り肌は見せたくないから・・ナンパされても嫌だし。」


「そぅ。」


「・・お姉ちゃん」


「何?」


「彼と手を繋ぐ時は・・自然な感じでそっと繋ぐ?それとも離したくない!みたいな感じでギュッと繋ぐ?」


「何それ。」


「・・手繋ぎなんてした事ないから、どうが良いのかな?思って。」


「私もした事ないんだけど。ま、その場の雰囲気かな・・私は引っ張りたい方だから、多分力入れたギュになる思うわよ。」


「そっか・・ありがとう。じゃ、そろそろ寝ようよ。目覚ましは6時で良い?」


「良いわよ。いつもの髪型が出来たら本気で起してね。」


「休みの日だけはお姉ちゃんは早起きだから、目覚ましいらない気がするけどね。」


「目覚まし1度で2度寝無し。それで起きるあんたに任せておけば安心よね。」


「私をアテにしないでよ・・お父さんとお母さんは今夜から旅行で明日は誰もアテに出来ないんだから。自分の事は自分でね。じゃ、お姉ちゃんお休みなさい。」


「お休み。」


・・・


「・・・どうしてもあれこれ考えちゃうな・・」


スー・・


「お姉ちゃん寝てるんだ・・羨ましいな。私は寝れるかな・・夢の中で先にデートしてるのかな・・」


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