第21話
充希の家に遊びに言った次の日、今日も彼女と一緒に下校している。
「昨日は他の女と随分お楽しみでしたね?」
「それは....はい」
乃蒼さんがジト目で僕の方へと視線を向けてきた。
でも....
「美奈ちゃんと遊ぶって言いましたっけ?」
充希と遊ぶとは言ったような気がするが、美奈ちゃんとも遊ぶなんてことは言っていなかった気がする。
「そ、それは、充希さんと幸君のお話をたまたま盗み聞きしてしまいました。それは申し訳ございません。でも、せめてそのことを言って欲しかったです」
「ごめんなさい」
彼女が謝ってきたため、自分に非はあまりないとは思うが僕も頭を下げる。
きっと彼女は僕と充希が一緒に遊んでいて、仲間外れのような感覚に陥ってしまったのだろう。
「話は変わりますけれど、乃蒼さんはテストはどうでしたか?」
「テストですか?そうですね、特に何も問題なくいつも通りの点数だと思いますよ」
彼女は事もなくそう言った。
乃蒼さんは学校に入学してからずっと一位を取り続けていたし、今回も別の事で悩んでいたとはいえテストには全く影響はなさそうだったし今回も一位だろうな。
「ですが....」
「....?どうかしましたか」
彼女は何かを言いかけて、やめてしまう。
人間は言いかけていたことを途中で止められてしまうと、聞き手側はそれがとても気になってしまう。
僕も例に漏れず今はその状態である。
「えっと、その....私の気のせいというか自意識過剰ともとられてしまうかもしれませんし、幸君に迷惑をかけてしまうかもしれません」
「何でしょうか」
僕に迷惑をかけてしまう?
いったい何なんだろうか。
彼女の自称親衛隊の人間が何か僕に迷惑をかけるとかなのか?
彼女は言いずらそうにしていたが意を決して話始める。
「最近、一部の人ですが私にストーカーまがいのような事をしている人がいるようです」
「ストーカーまがいのこと、ですか?」
彼女から話は僕が想定していたものよりも一段階重い話だった。
「毎朝、登校すると自分の下駄箱に手紙が入っているんです」
彼女は自分の鞄の中から例の手紙を取り出して僕へと見せる。
内容としては、「絶対にあの男から助けてあげるからね、俺の霜月さん。愛してるよ」という内容だった。
その後には、乃蒼さんのどこが好きだとか、どこを愛しているだとかが書かれていた。
「気持ち悪いですね」
「そうですね。だから、この気持ち悪い男が幸君へ被害を出す可能性があるので言っておこうと思って」
「分かりました、有難うございます」
恐らくというかほぼ確実にあの男というのは僕の事だろう。
何か面倒くさいことが始まりそうな気がする。
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