わたしを含めた少女達はどうしてこうも残酷なのだろうか

なかじまあゆこ

プロローグ

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 中学の最後の一年は最悪だった。きっと、たくさんの素晴らしい思い出作りができると思っていたのに。


 ソーダ水や海のような青くて透き通りキラキラと輝く青春時代を過ごせると思っていた。

 それが実際は全然違っていた。真っ黒な墨汁を飲んでしまったかのような苦い味がした。


 わたしを含めた少女達は、どうしてこうも残酷なのだろうか。知らないうちに誰かを傷つけている。もう思い出したくない。卒業式のあの日教室で起こった出来事なんて。


 わたしは過去なんて振り返らない。前しか向かないと決めたのだ。


 それなのにあの日あのカフェに足を踏み入れたわたしは、忘れ去っていたはずの過去と再び出会ってしまった。戻りたくない教室とあの子達と大嫌いなあの頃の自分自身に。再び出会ってしまった。


 やっぱりわたしは間違っていたのかな。ただ、黙って傍観していたことは……。


 辛くて苦しくて教室の廊下側の後ろから二番目の席に座っているあの子の顔を見ることができなかった。けれど、あの子はもっと辛かったはずだ……。


 こんなわたしは罰を受ける必要があったのだろうか。わたしには後悔してもしきれないことがある。


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