第31話 とあるスイーツ店店主のつぶやき2



 冬休みが明け、コタローは再び学校に登校する。


 その間のリンとメイだが、外でアルバイトをすることになった。


 昨年末ゴブリンダンジョンを攻略し成長したリンとメイは、コタローやルナがいなくても外出できるお許しが出たのだ。


出かけるといってもコタローの家とゴブリンダンジョンを行き来したり、近所にお使いに出る位だった。


 リンとメイの2人は趣味がインドアなので最低限の外出で事足りたのだが、ある日リンがアルバイトをしてみたいと言ってきた。


 どうやら最近見ていたアニメがファミレスやカフェで働く作品だったらしく、自分もやってみたくなったらしい。


 リンはアニメマンガの影響を受けやすいのでいつものことだが、今回は珍しくメイもやる気だった。


 どうやら以前から外で働くのに興味があったらしい。



 いざバイト探しとなるのだが亜人となるとそう簡単にはいかない。


 買い物など客として利用する分には問題ないのだが、働くとなると受け入れてくれる場所は多くない。


 近場で探すとなると更に難航した。



 息抜きにいつものスイーツ店でお茶をしにいく。


 リンがふとここで働けたらいいなぁとつぶやく。


 すると奥から店主が現れ、良かったら面接受けてみないかと提案される。


 すぐに面接を受けリンとメイは無事採用が決まる。



 こうしてリンとメイはスイーツ店にてウエイトレスとして働くことになった。


 平日昼から午後3時までの短時間だが、トラブルもなく評判が良いと聞いた。


 密かにコタローが杞憂していたナンパなども、隠れファンたちが人知れず排除していた。


このバイトは3ヵ月程で一度終えているが、今でも時々頼まれてヘルプに入っている。





 いつものように青年と亜人の少女たちが店にやってくる。


 少女たちの成長は早く、こないだまで小さかったのがいつの間にか高校生位にまで大きくなっていた。


 子供の成長は早いなと感慨深く思っていると、従業員の娘が駆け込んでくる。


「店長、ここって亜人の娘も働けますか」


 どうやら彼らは亜人が働ける職場を探しているらしく赤髪の娘がこの店で働けたらいいなと呟いたのが聞こえたそうだ。


 従業員たちの強い要望を受け、彼らの元へ向かう。


 そして面接の提案をし、その後簡単な面接をして採用をすることに決めた。


 従業員たちから自分たちのシフトを減らしてもいいから雇って欲しいと懇願されたのもあるが、おそらく亜人になってからずっと通ってくれているであろうこの店で働きたいといってくれたのが一番の決め手だった。


 その後ウエイトレスとして働き始めたリンさんたちだが、他の従業員と変わりなく仕事をこなしてくれていた。


 お客様の評判も好評で更に従業員のモチベーションも上がっていいこと尽くめだった。



 短期間の雇用ではあったがリンさんたちとはすっかり打ち解け、時々店のヘルプをお願いするようになった。


 そして以前から話をしてみたかった青年コタロー君とは今ではスイーツ談義を交わす仲だ。


 最近は一緒にお茶会をするのが密かな楽しみだったりする。






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