第11話 歪む学園、迫る“影の来訪者”
朝。
登校途中、俺はふと立ち止まった。
(空気が、違う……)
見慣れた通学路の風景が、どこか“濁って”感じられた。
色彩がほんのわずかに暗く、音も遠い。
「……もう始まってるのか」
そのまま教室に入ると、空気の異変はさらに濃くなった。
「おーい、煉〜!」
隼人がいつもの調子で声をかけるが、どこか焦った様子だ。
「なぁ、知ってるか? 昨日の夜から、学園の生徒、三人が行方不明らしいんだ。家には帰ってなくて、連絡も取れないって……」
「……!」
その瞬間、教室の窓がわずかに“軋む”音を立てた。
何かが、外から“覗いて”いるような、奇妙な違和感。
俺は立ち上がる。
「ユリアは?」
「たしか、昼休みに生徒会室って言ってた」
すぐに向かう。途中、澪と天音の姿も確認できた。
彼女たちにはまだ異変が“本格化”してはいないらしい。
生徒会室のドアを開けた瞬間――冷たい風が吹いた。
「煉」
待っていたのはユリアと神城玲央。二人の表情は硬い。
「“門”が、本格的に開くわ。学園そのものが“影の浸食”を受けてる。人が消えるのは、その前兆」
玲央が続ける。
「このままだと、“この世界”が飲まれる。……君が決断しなければならない」
俺は、静かに頷いた。
「わかった。……この学園は、俺が守る。たとえこの身がどうなろうとも」
言葉に迷いはなかった。
その時、窓の外に黒い“何か”が、にじむように浮かび上がる。
それは――“人の形”をしていた。
(次は……“人間”を模倣するタイプの影か)
俺の眼が鋭く光る。
「来るぞ」
戦いの気配が、すぐそこにあった。
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