MoA:Rank17「vsヘイムダル」
ごきげんよう、マイグラント。
次の相手は二足歩行兵器“ヒミンビョルグ”
識別名“ヘイムダル”
彼はガイア製薬の第二隊長、部隊は軽装機体を率いる強襲に特化したスタンスを取っています。
心理的威圧や、拘束手段を駆使してブレードの一撃を加えることに特化した構成により、一瞬で戦況を覆すことを得意としています。
尤も、ごく軽量な機動力特化の機体ということは、それだけ一撃を返されたときの傷が極めて大きいということですが。
以上となります。
シルヴィアは、あなたの働きに期待しています。
エンドレスロール 世界樹・樹海深部
天を貫く超巨大な樹木の麓にて、黄金騎士のような機体と相対する。こちらとそう変わらない体躯で、左手の騎士剣を模したビームサーベルを展開する。
「山猫……ハッ、まさかお前さんとここで出会うたぁな」
ヘイムダルは右手に大型電磁ハンドガンを構え、ブースターを吹かす。
「だったら都合がいい。お前さんには色々と借りがあるからな……契機よくぶった斬れば気分も晴れるだろうよ!」
左肩の低速高誘導二連ミサイルを発射し、即座に前へ急加速しながら、ハンドガンを乱射してくる。こちらは右肩のレドームからレーザービットを展開してヘイムダルの直進を妨害しながら、両腕の二連アンダーバレルマシンガンを連射して連続の回避を強要する。
「ほう、お前さん、あのゴツいパイルバンカーを持ってないのか?だったら好都合だ……!」
ヘイムダルは左方向への回避を連続させながら上半身を落として地面ギリギリを攻めて飛び、草刈りのようにビームサーベルを振る。相打ちを嫌ったレーザービットを離してミサイルの迎撃に向かわせ、反射的な後方へのブーストで斬撃を躱し、瞬時に切り返して蹴りを繰り出すが、ヘイムダルも退かずに一歩踏み込んでもう一度振るって斬撃を直撃させる。蹴りは当たりはするものの衝撃は弱く、軽く押し飛ばすだけに留まり、逆にこちらは深く胴体に切創を刻まれる。
「チッ!こうまでしても浅いか……流石、ウチのトールを倒しただけはあるもんだ……!」
距離を取りながらハンドガンを連射し、それをマシンガンで迎撃しながらこちらも衛星のように動いて動向を警戒していると、あちらが右肩の武装を展開し、巨大なコンテナ状の大砲を見せ、そこから大きな電磁網を射出する。瞬間的なブーストで躱したところに急接近してきたヘイムダルがビームサーベルを振りかぶり、こちらはカウンターとして胴体部を連結し、内部で衝撃波解放の前兆を見せる。ヘイムダルはわかっているとばかりにこちらを通り抜けるように連続してブーストして逃れ、遅れて生命エネルギーを転化した衝撃波が轟き渡る。そして衝撃波の終わった後で全速力で接近し、今度こそとばかりにビームサーベルを叩きつけてくる。その二連撃で姿勢を完全に崩され、ハンドガンと電磁網の直撃を受けて強制放電により、更に硬直させられ、もう一撃斬撃を与えられて押し込まれる。
「終わりだ……!」
ヘイムダルがビームサーベルを最大出力にして詰めようとしてくるのに合わせ、こちらは左肩以外の全ての装備をパージし、そこから展開されて極めて威圧的で巨大な武装を前面へ装着し、左腕を引いて構える。瞬間、左腕の武装に配された大量のブースターから凄まじい勢いでエネルギーが放出され、思わずヘイムダルは怯んで鈍る。間もなくチャージを終え、殆ど左腕に引っ張られるような形で先端部の巨大な杭を叩き込み、彼が温存していた緊急補修ごと全てを貫通して削り切り、弾丸のような速度で後方に吹き飛ばす。たった一撃で使用限界に到達した超高出力パイルバンカーが自動でパージされ、地面に音を立てて落ちる。
「ハッ……実戦でそんなもん当ててくるとはな……」
ノイズがかった泣き言を漏らして、ヘイムダルは爆散した。
『“ヒミンビョルグ”の撃破を確認。
お疲れ様でした』
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