MoA:Rank26「vsアンガースマッシュ」

ごきげんよう、マイグラント。


次の相手はTA“アンガースマッシュ”

識別名“エギゾースト”


彼は世界樹海の外を縄張りとする独立傭兵の一人で、稼ぎのほぼ全てを機体に注ぎ込むことで有名です。

なりふり構わない猛攻と、それを補助する破壊的な機体構成、致命的なまでの視野の狭さから、同士討ちや護衛対象の破壊によるミッション失敗率が高い人物ですが……その分、敵組織にも壊滅的な損害を与えることも知られています。


以上となります。

シルヴィアは、あなたの働きに期待しています。
























 エンドレスロール 蟲臍の坩堝

 海岸を見据える断崖地帯に降り立つ。正面には機影は見えず、だが遠方から高速で飛来する何かをレーダーが捉える。

「ろ……す……こ……す……」

 酷くノイズのかかった声が聞こえ、距離が縮まるにつれて鮮明になっていく。

「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!」

 最初から全速力で突進し、両腕と一体化したブレードを展開しながら、機体前面のブースターを起動しながら両肩から大型グレネードキャノンを展開、間髪入れずに発射する。反動を殺してすぐに前面のブースターを切り、グレネードを躱すこちらに向けて躊躇せずに突貫し、左脛の装甲を展開しながら圧殺するような蹴りを繰り出してくる。右方向への瞬間的なブーストで回避しながら、アンガースマッシュは左ブレードを振りながら方向転換して、正面に捉えたこちらに踏み込みながら右ブレードを振ってくる。度を越した猛攻に対して、こちらはあくまでも後退による回避に徹し、アンガースマッシュの両腕は火花を激しく散らしながら赤熱していく。もはや狙いなど付けていないにも等しいほど、ブレードを振りながら前進し続け、前方への瞬間的ブーストから蹴りを繰り出し続ける。動きの単調さを読んだところで、左ブレードの振り被りに合わせてこちらの右腕のグレネードライフルを発射し、小口径の榴弾をブレードの刀身に直接当て、過度な高温になっていたそれをへし折る。アンガースマッシュは瞬間、読んでいたのかもはや本能なのか、胴体部の装甲を展開してジェネレーターから直接エネルギーを解放し、強烈な衝撃波を放出する。こちらも同じように胴体部と身体を連結し、生命エネルギーを転化した衝撃波を解放して相殺、両肩に提げていたHEAT弾頭パイルバンカーに持ち替え、衝撃波を放って防御力が低下した状態で硬直したアンガースマッシュの胴体に両腕を同時に打ち込んで爆発させ、激しい金属音を鳴らしながら後方に吹き飛ばす。間髪入れずに両腕の武装を再び交換し、右腕のグレネードライフルを放つ。アンガースマッシュは装甲を元に戻しながら左へ瞬間的ブーストを行って躱し、途中から破砕された左ブレードの刃を交換する。左へ巡航するこちらへ、全身のブースターを使って反動を殺しながら両肩のグレネードキャノンを発射しつつ、全速力で突撃してくる。それに合わせ、左腕の大型レールガンをチャージし、あちらがブレードを構えながら更に燃料を一気に注ぎ込んで一瞬加速して距離を詰めて振りかぶる。そこに後方への瞬間的ブーストで左ブレードの一振り目を躱して大型レールガンを撃ち返し、凄絶な電撃が頭部を貫いて一時的に電気回路をショートさせる。空中で一瞬硬直し、こちらは再びHEATパイルバンカーに持ち替えて胴体に叩き込み、まるで虫を蹴り飛ばすように爽快に機体を爆発させて吹き飛ばし、決着をつける。

『TA“アンガースマッシュ”の撃破を確認。

 お疲れ様でした』

 着地とともに、視界が白けていく。

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