MoA:Rank25「vsブルマイスター」

ごきげんよう、マイグラント。


前回の戦闘で、戦闘技能検証プログラム“MoA”最初の五人を撃破しました。

予想通り、素晴らしい戦果です。

フィリアが執着していた理由もよくわかりますね。


さて、次の相手は……

TA“エコンドライト”

識別名“ブルマイスター”


彼は廃星ネレイデスに先遣隊として投入されたムスペル重工業TA部隊の隊員の一人で、同社特有の実弾に特化した構成であり、また機体の装甲も実弾に対する耐性が極めて高いものとなっています。

本来は協働を主とした支援機ではありますが、未開の地へ送り込まれただけあって平均以上の戦闘能力を持っているようです。


以上となります。

シルヴィアは、あなたの働きに期待しています。
























 エンドレスロール 灰の森

 枯死した木々が集う灰の平原で目覚め、前方には極めて重装甲の四脚TAが鎮座していた。

「なるほど、凄まじい気魄だ。

 私たちが伺い知れぬほどの修羅場を潜ってきたと見える」

 ブルマイスターは右腕に大型スナイパーライフル、左腕に中型グレネードライフルを装備している。

「だがそれだけでは勝てんよ」

 飛び上がり、四肢を投げ出すようにして展開して浮遊し、挨拶代わりにスナイパーライフルを撃ち放つ。こちらが左へ瞬間的ブーストで回避していくところに、滑るような巡航ブーストで向きを合わせながらグレネードライフルを放ち、こちらは両肩に装備した追加ブースターも含めて吹かして回避し、右腕のレーザーショットガンを連射する。そこで不意に気付くと、ブルマイスターは左肩のコンテナから小型のターレットを大量にばら撒いていた。それらからの無数の小口径弾丸に加え、あちらの右肩に装着された四連装バルカンからも無数の弾丸が放たれる。こちらはレーザーショットガンをチャージしながら前方へ一気に詰めて弾丸を躱し、ブルマイスターの真下へ潜り込む。

「速いな……!」

 ブルマイスターが後方へブーストして距離を取ろうとしたところにチャージしたレーザーショットガンを発射し、シンプルなビームをあちらの右前足に当てる。更に前方へ加速しつつ上昇して右脚で蹴りつけ、即座に前方へ瞬間的ブーストを行いつつ左脚での強烈な蹴りを叩き込んで硬直させ、ブースターの推力に任せて上を取りつつレーザーショットガンを連射して着地する。ブルマイスターは脚部を畳みながら全速力で前方へ飛び出して距離を取りつつ、四脚特有の上半身だけを反転させる挙動で隙無く振り返り、グレネードライフルを連射してターレットが密集している地帯へ押し込もうとする。重ねてこちらが元々いた地点へスナイパーライフルも決め打ちで置いていき、こちらがエネルギー総量を整えながら斜め後方へ下がっていくことで直撃を躱し、左腕の大型キャノンをチャージしていく。そしてスナイパーライフルの弾丸を躱したところで全速力で前進し、ブルマイスターが動かずに攻撃を続行するのを見てからグレネードライフルの一撃を甘んじて受け、左腕の大型キャノンのトリガーを引く。胴体部が連結され、生命エネルギーが転化された衝撃波、それが指向性を持ってキャノンから吐き出され、ブルマイスターに直撃して大爆発を起こし、一撃で爆発四散させる。

『TA“エコンドライト”の撃破を確認。

 お疲れ様でした』

 着地して大型キャノンをパージすると同時に、視界が白けていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る