いきなり女の子を埋めるというインパクトのあるシーンから始まって、そのあとその子との思い出を振り返るという流れなんですけど、非常に素晴らしい構成で、高いセンスを感じさせます。
そしてその後の回想ものっけから女の子に生き埋めにしてほしいと頼まれるところから始まって、その少し後、それは18歳で樹になるからだという衝撃的な理由が語られます。
とにかく序盤から驚きの連続で、この先どうなるんだろう、と興味を惹かれて、ぐんぐん読み進めてしまいました。
文体は読みやすい一人称で、主人公の純朴な思いとか人柄の良さとかがよく伝わってきます。
だからでしょうか、感情移入がしやすくて、だんだん木になっていく彼女を、主人公と一緒に悲しんでしまいました。
最後も切ないけど美しい終わり方で、序盤から終盤まで飽きさせない構成になっていて、総じてレベルの高い作品でした。おすすめです。