第3話 調達

前回、食材調達のために外に出たのは前の水曜日だったかな。今日は土曜日で本来も全然調達しに行く日だが、今回はいつもより少し危険な地方に入ろうと思う。

危険な地方ほど希少な食材は多く眠っている。

理由としては幻の卵の調達の練習的な感じかな。『麻婆山まーぼーざん』もこの世界ではトップクラスに危ない地帯だから。


「よぉし、じゃあいくかぁ!」


今日も土曜日は調達日なので店に、CLOSEという掛け看板を見せて、ここ焼華哨街えんかしょがいから西門に移動してそのまま『西ガイラ地方』に移動する。

いつもは基本『東ガイラ地方』に食材調達に行くが、今日は反対側に行ってみる。

この大きな焼華哨街えんかしょがいだが、ガイラ地方の3割程しか占めない。

焼華哨街えんかしょがいには4方向の門があり、北、東、南、西の門があり、ガイラ地方の北、東、南、西に行ける。

ガイラ地方の面積は北が2割、東が1割、南が2割、西が2割を占めている。

一応、西はガイラ地方の中で2番目の危険とされる地帯。なので、料理人なんて滅多に足を踏み入れない。

ここで取れる食材は、基本市場の食材売り場で売られている。

じゃあ、なんでここにいるかって?そんなの当たり前じゃないか。


「自分で、最高の食材を厳選したいんだよ!」


気合いが入り、思わず声の出てしまった。

周りからの視線が凄い、、、、

はずかしいぃ、、、、


「まぁでもいいことじゃないか、それほど気合いが入ってるってことよ!」


あまり自分らしくない口調で自分自身を鼓舞する。


「止まってください」


突如、声をかけられた。


「は、はい?」


西門の門番長だ。


「ご用件は?」


そうだった、焼華哨街えんかしょがいはとても賑やかで綺麗な街だが、その分警備などが厳重だ。


「食材の調達です。burger counter《バーガーカウンター》というレストランを営んでいます」


「なるほど、俺も時々行ったことがあるぞ。実に美味しかった!」


なんか褒められた。


「ありがとうございます。光栄です」


「よし!じゃあ、通っていいぞ!」


「ありがとございます」


なんかもっとこう、いろいろ取り調べるのかと思ったけど、全然そうじゃなかった。

じゃ!このまま西に出発!


「いくぞ!幻の卵への一歩目!」

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