第11話:永遠を誓う口づけ、そして光の祝福

リースとの絆は、最高潮に達していた。

彼女の心は、幸福で満ち溢れている。

彼が隣にいるだけで、世界が輝く。

畑仕事も、村人との交流も、全てが愛おしい。

この完璧な箱庭は、彼女だけの楽園だった。


朝、目覚めればリースの穏やかな寝顔がある。

彼の温かい手が、そっと彼女の頬に触れる。

鳥のさえずりが、目覚めを祝福するよう。

小屋の中には、ひのきの清々しい香りが満ちる。

リースが淹れてくれるハーブティーの湯気。


その温かさが、心と体にじんわり染み渡る。

共に畑へ向かう。

土の感触、生命が息吹く匂い。

リースが黙って、重い籠を持ってくれる。

その優しさに、彼女はそっと微笑む。


村人との交流も、いつも通り穏やかだ。

彼らの優しい笑顔を見るたびに、心で感謝する。

もう、微かな違和感など、彼女の心にはない。

ただ、純粋な幸福感だけが、そこにあった。

夕暮れ時、二人はよく森を散歩した。


木漏れ日が、足元に揺れる。

リースが、彼女の好きな野花を摘んでくれる。

その花の色は、信じられないほど鮮やかだった。

彼の大きな手が、そっと彼女の髪を撫でる。

花冠を乗せ、頭頂部に感じる温もり。


彼女は、目を閉じ、その幸福を味わう。

夜は、リースと小屋で過ごす。

暖炉の火が、パチパチと薪を爆ぜる音。

リースは、彼女のために歌を歌ってくれた。

低い、優しい声が、小屋に響く。


その歌声は、彼女の心を深く癒やした。

彼は、都会で疲弊した彼女のために。

ずっと支え、この場所を創ってくれた。

そのことに、彼女は感謝してもしきれない。

「リースさん……」


彼女は、彼の手にそっと触れた。

リースは、彼女の指を優しく握り返す。

その温かさが、彼女の全身に広がる。

この愛が、どうか永遠に続くように。

彼女は、心からそう願っていた。


そこにあるのは、確かな愛だけ。

不安など、微塵もない。

満月の夜。

二人は、小屋の外に出ていた。

夜空には、無数の星が輝いている。


天の川が、銀色の帯となって空を横切る。

その壮大な美しさに、彼女は息を呑んだ。

リースが、彼女の顔をそっと両手で包んだ。

その瞳が、彼女を見つめる。

深い森のような瞳は、愛情に満ちていた。


「……君を、愛している」

リースが、かすれた声で告げた。

その言葉に、彼女の心は震えた。

瞳から、止めどなく涙が溢れ出す。

それは、あまりにも温かい、幸福の涙だった。


「私も……リースさんを、愛してる」

彼女は、震える声で答えた。

リースは、ゆっくりと顔を近づける。

唇が、そっと触れ合った。

柔らかい感触。


リースの手の温もりが、頬に伝わる。

互いの呼吸音が、重なる。

高鳴る鼓動が、耳に響く。

ドクン、ドクン、と、生命の音が鳴る。

微かな吐息が、触れ合う感覚。


甘い香りが、混ざり合う。

全身を駆け巡る、電流のような快感。

幸福で、目眩がするような感覚。

彼女は、リースの胸に顔をうずめた。

幸福に満ちた表情が、そこに浮かぶ。


「永遠に……」

彼女は、彼の服を強く握りしめた。

この愛が、永遠に続くかのように見える。

二人の周りを、柔らかな光が包み込む。

祝福の光が、空間全体に満ちていく。


光が、二人の周りを舞うように輝く。

温かい光が、肌を包み込むような感覚。

空間全体が、輝きに満ちる。

まるで天使が祝福しているかのような、穏やかな光景。

彼女は、リースの手を強く握りしめた。


「ありがとう、リース。永遠に愛してる」

「あなたと出会えて、本当に幸せだった」

「このまま、ずっと、あなたと一緒にいたい」

彼女は、囁くように言った。

リースの瞳が、優しく彼女を見つめる。


彼の口元が、微かに微笑んだ。

光が、二人を包み込む。

二人が共に歩む未来を暗示するような。

幸福な会話が、交わされる。

「ずっと、ここで、君と生きていきたい」


リースが、静かにそう告げた。

その言葉に、彼女の心は完全に満たされた。

読者は、きっと、このまま永遠に。

二人が幸せに暮らすと信じるだろう。

光が、ますます強くなっていく。


彼女の意識が、ゆっくりと遠のいていく。

リースの温もりが、全身を包み込む。

そして、彼女は、光の中に溶けていった。

それは、完璧な幸福の、輝かしい瞬間だった。

彼女の物語は、ここで、一つの終焉を迎える。


永遠の愛を誓い、光に包まれて消える。

それは、まさしく、ハッピーエンド。

そう、読者が確信するような、美しさだった。

空には、満月が、二人を祝福するかのように。

穏やかに、輝き続けていた。


風が、そっと木々を揺らす。

その音は、まるで子守唄のよう。

彼女の表情は、どこまでも穏やかだ。

夢の中にいるような、心地よさ。

この光の先で、リースと永遠に共に。


そう信じて、彼女は身を委ねた。

彼の腕の中で感じる、確かな温もり。

それが、彼女の全てだった。

もう、何も望むことはない。

彼女は、幸福の絶頂で、静かに消えていく。


その魂は、光となって、昇っていく。

天空へと、吸い込まれるように。

残されたのは、煌めく光の残像だけ。

しかし、物語は、まだ終わらない。

この光の先に、何が待っているのか。

それは、まだ、誰も知らない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る