エピローグ

荒廃した地上を歩く悪魔。

灰色に濁った空、冷たい風、枯れ果てた森。

どこにも、人の気配はなかった。


悪魔(――これが、本当に“正しい”選択だったのか?)


背後から足音が響く。振り返ると、そこに立っていたのはかつての自分だった。


勇者「やあ、久しぶりだね。」


悪魔「お前は……?」


勇者「君自身さ。もし別の道を選んでいたら、こうなっていただろう君だ。」


二人の瞳が絡み合う。

同じ顔、同じ目。だが、内側は正反対だった。


勇者「君が殺したのは人間だけじゃない。未来も、希望も、可能性も、すべてを根こそぎにしたんだ。」


悪魔「でも、あのままでは地球は滅びる。俺は母なる地球を守ろうとしたんだ。」


勇者「守る方法は一つじゃない。破壊は簡単だ。でも再生には痛みも時間も必要だ。」


静寂の中、剣が交わる。悪魔は初めて声をあげた。


「どうすれば――正しい未来を選べるんだ?」


勇者の刃が止まる。


「わからない。だが、君が今ここにいるのは、まだ選び直すチャンスがあるからだ。」


刃を収め、二人は向き合った。


悪魔「壊すことはできた。だが、戻すのも俺自身だ。」


勇者「そうだ。選択は続く。間違いも悔いもすべて抱えて。」


世界は今、真っ白なキャンバスだ。

何度でも描き直せる。

だが、そのたびに失うものもある。


遠くで、新たな光が降り注ぐ。


未来は、まだ終わっていない――。

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浄化の果てに シリウス Sirius @00241980

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