第9話 ミミナ・ラビナ

 一昨日の深夜、オリーブは家に来てアルマが寝ている間に封印術の調整を行った。成功なのか失敗なのか、結果はまだはっきりしていない。


 魔神の魔力は変わらず漏れている。

 だが気温はほんのわずかずつ上向いてきた。まだまだ時期外れの寒さとはいえ、街の木花もかすかに色を付け始めた。

 

 オリーブは色々と動いてくれているが、めぼしい進展はない。


 分からないことだらけだ。冬の魔神とはつまり何なのか。どういう原理で季節の進行は遅れていたのか。なぜ今ゆっくりと進みだしたのか。


 何も分からないまま、一日が過ぎた。


 そして今日。

 五月八日、木曜日。


「ここが飼育舎です」


 昼休み。

 せっかくなので、僕はアルマに飼育舎の案内をしてもらっていた。


 ハイネルン魔術学院の飼育舎は、もはや小さな動物園だ。金網の内側に疑似的な自然環境が作られ、動物たちがのんびり暮らしている。


「研究や授業で使われる動物が飼育されてます。百種を超えるとか」


 相当珍しい種もいる。


 初めての物を鑑定するときの快感は何にも代え難い。知識欲と収集欲が同時に満たされるような気持ち良さ。


 動物たちを管理しているのはコボルド。二足歩行する犬みたいな生き物だ。


「コボルドって使い魔になるんだね」


「そもそもコボルドは、使い魔にするために魔術師が作った合成獣ですからね。それが野生化して大陸中に広がったとか」


 今では代表的な害獣である。


 アルマはどの動物がどんな由来で、魔術師にどう役立つのか、ぺらぺらと流れるように説明してくれた。


「詳しいね」


「わたし、昼休みはここに来て、動物たちの相手をしてやってることが多いのです」


 哀れな強がりだった。


「一番懐いてるのはあの子です」


 アルマはウサギ小屋の中を指差した。


 一匹の白いウサギが、独り占めした藁の上にでっぷりと座り込んでいる。


 コボルドが皿にエサを出すと、他のウサギがソイツのところへ運んでいく。どうやらボス的立ち位置らしい。


 一番新鮮な野菜スティックをバリボリ頬張るボスウサギ。僕とアルマの視線に気付くと、野菜スティックを放り投げて足元に駆けてくる。


 扉を開くと、ボスウサギは大きくジャンプしてアルマの胸に飛びついた。


「懐いてるねー」


「三日ぶりだからいつも以上に甘えたいみたいですね。名前はシチューちゃんです」


「……煮込まれてしまいそうな名前だね」


「今は可愛いがってますが、最初は肥えてて美味しそうだなと思っていたので」


「アルマが名付け親か」


 アルマはシチューちゃんを抱えたままベンチに座り、慣れた手つきで撫でながら、鼻歌を口ずさみ始めた。


 歌声には魔力がわずかに乗っている。魔術ではない。ただの魔力放出というべきか。


 シチューちゃんもうっとりと目を閉じ、耳を後ろに倒して完全なリラックスモードである。


 突如始まったリサイタルだが、茶化す気にも口を挟む気にもならず、黙って耳を傾ける。


 僕の趣味はリュートを楽譜なしで適当に鳴らすことだが、他の楽器も好きだ。もちろん声楽も。


 アルマは声質が良い。ずっと聞いていたくなるような、落ち着く歌声だ。


 終わったので拍手する。


「歌、上手なんだね」


 素直に褒めると、アルマは初めて僕がここにいると知ったかのように驚き、顔を耳まで赤くした。


「あ、いえ、なんというか、歌ってません! わたしじゃないです!」


「それは苦しいかもしれない」


「……つい普段のクセで。シチューちゃんが喜ぶので、ほとんど毎日歌ってるんです」


「ふうん。何の歌?」


「母がよく歌ってくれた子守唄です」


 シチューちゃんはアルマのお腹にすがりつき始めた。もう一回もう一回とせがんでいるようにも見える。


「もう一回歌ってあげなよ」


「……人には聞かれたくないので耳を塞いでてくれませんか? あと見るのもだめです」


「ひどくない?」


 そんな理不尽な要求には屈しない。


 しかしなんと、シチューちゃんが僕の顔に飛び乗り、その体で僕の目と耳を塞ぐように張り付いてきた。キューキュー鳴いている。


「この子、賢いね。魔術学院のウサギは人の言葉が分かるの?」


「そんなわけないでしょう。ウサギはどこでもウサギですよ」


 気になる……。

 振る舞いに知性を感じるのだ。


 僕はシチューちゃんを引き剥がした。


鑑定ダイブ


 情報が頭に流れ込んでくる。


 ミミナ・ラビナ。

 十四歳。

 うさぎの半人ラビッタント

 二級市民。

 魔術師見習い。

 ハイネルン帝国魔術学院所属。

 状態、動物変性呪。


「……この子、人なんだけど」


 そう言った瞬間、シチューちゃんは耳をピンと立て、ものすごい勢いで鳴き始めた。僕へ猛烈にアピールしてくる。


「なんでウサギになってるの?」


 シチューちゃん、改めミミナは悲しげに目を伏せた。話すことはできないようだ。ウサギには声帯がないので当然だが。


「ウサギ生活、楽しい?」


 首を横に振っている。


「まさかとは思うけど、戻れないの?」


 激しく頷いている……!


「やっぱりそうなんだ」


「いやいや。偶然首を動かしてるだけですよ。そんなドジっ子魔術師がいるわけないじゃないですか」


 お前が言うなと喉元まで出かけたが、話がズレそうなので我慢する。


「この子はここの生徒だね。鑑定したから間違いない」


 この学院には入学時の年齢制限がないため、十四歳が在籍していても不思議ではない。ヒューマン以外は年齢層がかなり広いのだ。


「鑑定したって、水晶もないのにどうやって?」


「それは秘密」


「秘密の多い人ですね。……まあいいですけど。それで、本当ですか。毎日抱っこしてたウサギが生徒だったなんて」


「十四歳の女の子だよ。ミミナ・ラビナさん」


 アルマが驚きの声を上げた。


「その名前は……たしか、去年の四月に失踪した生徒です。まさか一年間ウサギに……!?」


「キューキュー!!」


「呪いがかかってるみたいなんだけど、どうやったら人に戻してあげられるのかな」


「……ハイルマ先生のところに連れて行ってみますか。先生ならきっと治せるでしょう」




 ハイルマ先生の研究室にて。


「ミミナ・ラビナさんが見つかった。しかも――動物変性呪ですか」


 先生は小さくつぶやいた。


 呪いとは儀式魔術の一種。

 離れた場所にいる対象へ、直接的な害を及ぼす魔術を指す。


 そもそも九割五分の魔術は、魔導器を発生点として何かを生み出す魔術である。そうでない魔術(身体強化など)もほぼすべて、魔導器との接触がトリガーになる。


 つまり一般的な魔術が「杖先から燃える火球を飛ばす」ようなものとすれば、呪いは「遠くの相手を直接火ダルマにする」ようなもの。ぜんぜん違う。


 攻撃性は非常に高いが、準備に手間はかかるし、失敗すればその攻撃性が術者自身に跳ね返る。


 呪いの起源は呪呪呪獣という伝説上の魔獣だそうだ。その怪物は百を超える呪いを操り、武力でもって獣人たちの王として君臨し、獣人に差別的な他種族の国を滅ぼしたのだとか。


 まあ、魔獣が獣人たちの王になるって時点で眉唾物まゆつばものだ。


 現代の呪いは呪呪呪獣の技を模倣し再現するという形で研究されている。強力だがリスクが高すぎて、魔術の中では珍しい分野のはず。


「………………」


 僕含めた三人は顔を曇らせていた。


 ミミナ・ラビナにそんな呪いをかけたのはいったい誰か――という疑問が空気を沈ませているのだ。


「ともかく大丈夫。これの解呪は簡単ですから。先生に任せなさい!」


 ハイルマ先生はきっぱりとした表情でそう言い、つま先立ちで戸棚から緑色の薬瓶を取り出した。


「これをちょこっと掛けて――」


「待ってください。それは硝酸ではないですか?」


「え? ほんとだ。ふう、あぶない。ありがとうスノウフィアさん」


 怖いよハイルマ先生……。

 絵に描いたようなドジっぷりだ。


「解呪薬はこっち」


 先生はラベルをよく確認したあと、白ウサギに液体を振りかけ、身長の二倍も大きな杖を持ち出してきて詠唱を始める。

 

 煙がもくもくと立ち上がり、ゆっくり晴れると、床には裸の少女が座りこんでいた。


 少女は何度もまばたきをし、手で自分の体に触れていく。


「戻れた……っ! ううううううう!! もうずっとこのままかと! 戻れた! 戻れたよおおおおおおおおおお!」


 幼さの残る声質。長く伸びたボサボサの白い髪から、白い耳がぴょこんと生えている。くりくりした目が愛らしい。健康的な脇腹だった。


 獣人だが体毛はほとんどなく、ウサギの外見的特徴は耳と尻尾だけだ。


 ハイルマ先生が毛布を被せながら、よしよしと頭を撫でる。


「怖かったですね。もう大丈夫ですよ」


「ありがとう! 見つけてくれて、戻してくれて……!」


 ウサギ獣人の少女――ミミナ・ラビナは涙を指で拭いながら、僕へと小さな微笑みを寄越してくる。


「あなたが見つけてくれなかったら、あたしは今ごろウサギシチューだったかもしれないよっ。――エディ、でいいの?」


「……うん。エディ・エスティメイトだ」


 何を思ったか、ミミナは歩き出そうとして――


「ミミナさん、裸ですよ!」


「あ、ほんとだ。そっかそっか」


 アルマが毛布を被せ直す。


 ミミナは今度こそ歩き出そうとして。


「……ミミナさん。四つん這いですよ」


「そっか。そうだよね……」


 社会復帰には時間がかかりそうだ。ミミナはぽろぽろと涙を流している。


 そんな彼女にハイルマ先生とアルマが左右からそっと寄り添った。


「大丈夫、少しずつ戻せばいいですから。何も心配することはありません」


「わたしも手伝います、ミミナさん――いえこれからはシチューちゃんですね」


「……逆だぞ、アルマ」


 二人の励ましを受けて、ミミナの目から大粒の涙がこぼれていく。今度は悲しみの涙ではなさそうだった。


「ラビナさん。人に戻ったばかりで申し訳ありませんが、経緯を聞かせてくれませんか」


 ハイルマ先生が言った。声にいつもの明るさはない。それは、ミミナに呪いをかけた犯人が学院内にいる可能性を考えてのことだろう。


 ミミナが人に戻ったことを知った犯人がどのような行動をとるか――嫌な想像もできてしまう。


「うん。あれは去年の四月だよっ。昼休みに中庭で日向ぼっこしてたら、どういうわけかウサギになっちゃったのっ。そしたら本物だと間違えられてウサギ小屋に……」


「……自分を恨んでいるとか嫌っているとか、そういう人物に心当たりはありませんか?」


「うーん。あたし、帝都に来たばかりだったし、恨まれるような覚えなんてないんだけど……」


 もう一年も前の話だ。

 証拠など残っていないだろう。 


「鑑定、しようか?」


 僕は控えめに申し出た。

 鑑定魔術は過去を検めることができる。


「うんっ。お願いっ!」


 ミミナはすぐに頷く。

 想像以上に肯定的な反応だ。


 この少女は自分の過去を覗かれることがそれほど不快ではないらしい。獣人には開放的な性格のものも多いので、特段驚くことでもないが。


「エスティメイト君は一年前の記録まで遡れるんですか? 若いのにすごいですね」


「でしょう? 僕は凄腕なんですよ。――急いで鑑定の水晶を持ってきます」


「あ、私が持ってますよ」


 ハイルマ先生が隣の小部屋へ繋がる扉を開けると、そこには大量の魔導器が雑多に積み上げられていた。総額は平均の生涯年収を軽く超えるだろう。さすがエリート魔術師だ。


「これ使ってください」


「ありがとうございます」


 僕は水晶を下から両手で支えるようにしてミミナの前に差し出した。


「水晶を上から覆うよう包み込むように、でも触れず、手でかざしてくれ」


「こう?」


「そんな感じ」


 鑑定魔術は、水晶に映り込むものすべての情報を教えてくれる。だから映り込むものを減らした方が鑑定しやすくなる。


 今回は一年前を探るわけで、かなり深くまで潜る必要がある。僕とミミナの手で水晶をほとんど覆ってしまうことで、効率を上げるというわけだ。


「水晶に手があたったらどうなるの?」


「ミミナもアカシックレコードに繋がっちゃうから、できるだけそのままの姿勢をキープしてて」


 鑑定魔術の発動中は、水晶に触れたものの意識は例外なくアカシックレコードに繋がるのだ。


 目を閉じる。


「始めていいかな?」


「うんっ」


鑑定ダイブ




 深く暗い海。

 漂う白い糸くず。


 糸くずに触れていくと、僕とミミナについての情報が脳へと流れ込んでくる。僕のは無視してミミナのを探す。


 ミミナ・ラビナ。

 身長、130cm。

 胸のサイズ、A。

 瞳の色、ルビーレッド。

 好物、りんご。

 得意魔術、治癒。

 性格、社交的。


 求めているのはこういう表層的な情報ではない。過去の記録を探るためさらに深くへ。


 潜り、潜り、潜り――

 ぼんやりと浮かび上がってくる。


 ウサギ半人ラビッタント共同巣穴ワーレン生まれ。

 五つ子。

 十四人兄弟の末っ子。

 七歳で旅の魔術師に才能を見抜かれる。

 治癒魔術の練習を始める。

 満を持して帝都へ出立。

 ハイネルン魔術学院に入学。


 ――そして四月のある日。

 昼休み、ミミナは中庭の日当たりのいい場所で微睡んでいた。

 ふとつぶやく。「あたしの先祖ってウサギだったのかな……? ウサギって何考えてるんだろ?」

 次の瞬間、ミミナの体はウサギに変わっていた。


「なんだこれ……」


 望んでウサギになったのか?


 いやしかし、呪いというのはこんな簡単に発動する代物ではない。必ず原因があるはずだ。


 さらに潜り――僕は見つけた。


 ミミナ・ラビナ。

 呪呪呪獣の生まれ変わり。


「………………」


 ここまでだ。


鑑定ダイブ終了エンド




 呪呪呪獣。

 現代呪術の始祖。


 わあ。

 また凄いの見つけちゃった。

 これこそ鑑定の醍醐味だ。


 ミントキャンディを口へ放り込む。


「ん……?」


 ミントの清涼感で我に返る。

 喜んでる場合ではない。


 これはまずいのでは。


 噛みまくったみたいな名前の怪物が唐突に出てきてもらっても困る。アルマだけで手が一杯なのに。


「どうだったんですか、エディさん」


「ああ、うん……。犯人らしき人物は見つからなかった。ミミナが『ウサギって何考えてるんだろ』ってつぶやいた瞬間、ウサギになってた」


「それは……」


 僕たち三人の視線を浴び、ミミナが気まずそうに頬を掻く。


「はっきり覚えてないけど、あたしはあのときウサギになってみたいと思ってたかも」


「……でも、それだけで体が作り変えられるはずはないですよね?」


 原因はもちろん、ミミナが呪呪呪獣の転生体であることなのだろう。それが一番しっくり来る。


 というか、僕は転生なんて概念はオカルトだと思っていた。そんなの実在するのかよ。


 三人がウサギ化の原因について会議を始めたところで、


「――ちょっと失礼」


 僕はハイルマ先生の研究室を飛び出し、オリーブの囁き人形ウィスパードを指でつついた。

 


**



「私は何も聞かなかった」


 僕の手のひらの上、報告を聞き終わったオリーブ人形はしゃがみ込んでそう言った。


「この学院はどうなってんだ。アルマを見つけたのが三日前だよ。どうしてあんなのが二人もいる?」


「私に言わないでくれ……。二人が入学したとき私はこの学院にいなかった。なら何か起こっても私の責任じゃないよな?」


「責任なんて気にしなくていい。何か起こったら多分死んでるだろうからね」


「笑えない! あっはっは!」


「笑ってる場合じゃないよ……」


「笑うしかない状況だろう!」


「どうしようか。呪呪呪獣だって。冬の魔神以上に分からない」


「……興味深いのは、アルマ君の歌を呪呪呪獣が気に入っているという点だ。彼女の封印術に適した魔力が良い方向で作用しているんだろう」


「ふうん。つまり?」


「大袈裟に表現してしまうと、アルマ君は体に魔神を封印し、歌で呪呪呪獣を鎮めてる」


 すごいじゃないか。

 アルマは世界を救ってる。


「それは……偶然なのかな? アルマと同じクラスにたまたまミミナも入学してきて、たまたまウサギになって、たまたま毎日歌を聴かせてたなんて」


「何者かの意思が働いている可能性もある。調べてみるが――とりあえずは今までどおりアルマ君の歌を毎日聴かせるべきだ」


「呪呪呪獣と冬の魔神を隔離しないってこと? 刺激し合いそうで恐ろしいんだけど」


「去年から毎日撫でてたんだろ。なら今さらだ。心配することない」


 そうかな……。万が一何かあったら帝都は滅びそうだけど。


「そんなに不安になることはないさ。冬の魔神よりずっとマシだ。本人がウサギになった以外に実害が出てないんだ」


「発覚してないだけで、調べたら出てるかもしれないよ」


「問題ない。調べないから」


「調べろ」


「……過労死する。私は楽するのが好きで魔術師になったのに」


 泣きそうな顔になってる。


「……部下を増やしなよ」


「部下をどれだけ増やしてもトップの仕事は減らない。むしろ増えるんだ」


「そっか……。大変そうだね。――それで呪呪呪獣の監視は誰がやるのさ」


「探さないといけない」


 嫌な沈黙があった。このままじゃ僕にお鉢が回ってきそう。期限延長ということになりかねない。


「仮にも皇女なんだから、直属の騎士団か諜報組織くらいないの?」


「五十三番目が持ってるわけない! 分かってて言ってるだろ!」


 オリーブ人形は僕の手のひらをゲシゲシと踏みつけた。


「……とにかく、呪呪呪獣も学院で管理するつもりなら秘書くらい雇わないと。今の体制じゃ体を壊すよ」


「ああ、ありがとう、エディ」


 そのあまりの憔悴ぶりに、慰めの言葉を掛けようと思ったところで、ハイルマ先生の研究室から大きな物音がした。


 僕は「ごめん、また」とだけ伝えて人形をポケットに突っ込み、急いで部屋の扉を開く。


 そこにいたのは困惑顔のアルマと、椅子からひっくり返っているハイルマ先生と、一匹のウサギ。


 ウサギはアルマの膝の上にでっぷりと座り込み、幸せそうに目を細めていた。


「……そのウサギは?」


「ミミナさんです。人の体は毛が無くて落ち着かないって言って、そしたらなぜか、ウサギに戻ってしまいました」


 ミミナは嬉しそうに鳴いた。

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