「トレフル・ブランの物語」登場人物による座談会

路地猫みのる

トレフル・ブラン VS 先生 Q1-Q8

◆登場人物紹介


*トレフル・ブラン(15)

 二度孤児になった魔法使い。名前のない魔法使いに師事する。

 硬い鳶色の髪、新緑のような緑色の瞳。

*名前のない魔法使い(年齢不詳)

 人類に危機が訪れたときに現れ、人類を手助けする偉大な魔法使い。

 年齢も性別も誰も知らないが、トレフル・ブランといるときは、銀とも金とも言えぬ長い髪、光の加減で虹色に見える瞳を持つ麗人の姿を取る。

 餓死しかけた赤子を拾って孤児院に預け、その成長を見守っていたが、ついにその子を弟子に取る決意をする。(本人には知らせていない)


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Q1:お二人のお名前を教えてください。また、お互いにどう呼び合っていますか?


トレフル・ブラン

「どうも、トレフル・ブランです。愛称も略称もありませんので、そのまま呼んでください。この人のことは、『先生』と呼んでいます。名前、知らないし」


名前のない魔法使い

「私に名前はない。強いて言うなら、お前の『先生』だ。存分に敬うがいい」


トレフル・ブラン

「先生、さっきから薬草を煮る鍋がぐつぐついってます。鍋焦がすの何回目ですか。格好つけてないで、やることやってくださいよ」


名前のない魔法使い

「そういうのは、弟子の仕事だろう」


トレフル・ブラン

「先生がこぼした劇薬の掃除で忙しいんです。お気に入りのラグが端から消滅していってますけどいいんですね?」


名前のない魔法使い

「その希少価値を分かっていないな。人間国宝が織った絨毯なんだぞ」


 名前のない魔法使いがパチンと指を鳴らすと、床に飛び散っていた劇薬が消滅した。トレフル・ブランが鍋を火からおろして戻ってくると、消滅したはずのラグは何事もなかったかのように元の姿で、窓ガラス越しの陽射しを浴びていた。


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Q2:お二人の登場する作品について、軽く教えてください!


名前のない魔法使いが、ひとり壇上の人となる。


――これを、人間に語らせるわけにはいかぬゆえな。

この世界は、一度滅んだ世界のあとに作られた、新しい秩序を持つ世界。新しい秩序、すなわち「魔法」である。

我が弟子トレフル・ブランが、魔法を用い、仲間を得て、新秩序の悪たる「光の魔王」を倒す物語だよ。


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Q3:お二人が出会ったきっかけと、第一印象を教えてください。


ふむ、引き続き私の出番か。作者のやつ、私のことがよほど好きと見える。


我が弟子と出会ったのは、あいつが赤子のとき。母親らしき女性の腕の中で命尽きようとするのを、気まぐれに助けた。

物怖じしない性格は、当時と変わらんよ。まぁ、いささか生意気に育ったが。


宣伝というやつをしておこう。

私が、トレフル・ブランと出会い、名前を贈るまでの物語だ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894960253


※作者より※

本編をまだ書いていないにもかかわらず重大なネタバレを含みます(;´・ω・)


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Q4:お二人が付き合ってからどれくらい経ちますか?


トレフル・ブランが、イヤな顔をした。

「付き合う……? そうだね、先生の後始末に追われる日々が、5年ほど続いてるよ」


「そう褒めるな」

「ポジティブすぎるシンキング、一回やめてもらっていいですか?」

 長い髪をかきあげる名前のない魔法使いがしたり顔をするので、トレフル・ブランはツッコんだ。最近思う。ツッコミをしない日をつくりたい。休暇が欲しい。


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Q5:相手の魅力的なところを教えてください。


トレフル・ブランが、イヤな顔をした。

「魅力……? まぁ、名前のない魔法使いといえば世界最高峰の魔法使いだから、魔法に関しては右に出る者のいない専門家には違いない」


 名前のない魔法使いが、深く頷く。

「そのとおり、よく分かっているではないか。さぁ、私を存分に敬うがいい」


「流行りっぽく言うと、魔法使いとしてはSSS級、ヒトとしてはD級ってところかな」

「お前、師をなんだと思っているんだ?」

 問いかけたが、トレフル・ブランはすでに薬草園に出かけた後だった。


「私は人間ではないのだが、疑っていないようだ。私の演技はアカデミー賞ものだな」

「アカデミー賞も、もう滅んでいると思いますが?」

「うるさいぞ、フォ・ゴゥル」

 フォ・ゴゥルというのは、名前のない魔法使いの配下の白い獣だ。決まった形は持たないが、トレフル・ブランの手前、巨大な狐のような姿で現れる。

 フォ・ゴゥルも、トレフル・ブランを追いかけて出ていった。


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Q6:相手に直して欲しいところはありますか?


トレフル・ブラン

「たくさんあるんだけど、時間制限はどのくらい?」


作者都合により、受付を終了します。


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Q7:相手に言われて胸がキュン! とした言葉はありますか?


トレフル・ブラン

「……」

 ぞわわ、と鳥肌が立つ腕をさすっている。


名前のない魔法使い

「失礼なやつだな。私は、お前に劇薬を飲ませるときに胸がキュンキュンしているぞ」

トレフル・ブラン

「俺に臨死体験させて愉しむのやめてもらっていいですか」


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Q8:相手に言われてムカッ! とした言葉はありますか?


トレフル・ブラン

「存在そのもの?」

名前のない魔法使い

「腹を立てるには値しないが、思ったことを素直に口に出すのも場合によりけりだぞ」


続く>>

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