2 美術室にて
軽くノックして美術室の引き戸を開けると、扉の
「昼休みの残り時間は限られているから、頼みたい事を
「それじゃあ、そこに座って」
扉から少し離れた最前列の中ほどの席に、向かい合うように
真正面で間近に白川の整った顔を見るのは初めてだったので、緊張して
「今から私が話す事は、あなたが引き受けると約束してくれないと話せない。引き受けてくれるわよね?!」
白川は突然俺の髪の毛を
「痛いな! 引き受けるかどうかは、用件を聞いてからじゃダメなのか?」
白川の予想を超える握力に、いじめの文字がチラついたが、彼女の真剣な
「秘密を
白川の必死さは伝わったが、
「どうして、よりにもよって頼む相手がぼっちの俺なんだ?」
溜め息をついて尋ねると、白川はようやく両手の力を抜いて椅子に腰を下ろした。
「私はこれまでにじっくりと観察していたの。あなたは人と関わるのに
美人に
白川は首を
白川は優等生らしく、夏休みが始まって間もなく
一息つこうと自室で熱い紅茶を優雅に
目線はゆっくりと本棚の左下
小学校の高学年に差し掛かる頃には、白川は周りの同級生に比べ身も心も大人びていたという。そして小学校六年生の時、白川は子どもじみたクラスに
仲良しグループに
白川は卒業アルバムを手に取って、自分のクラスの集合写真を三年ぶりに眺めた。日々受けてきた数々の嫌がらせを一つ一つ思い出しながら。
そこまで話したところで、昼休み終了の予鈴が鳴った。
「頼み事を
俺が席を立つと、白川は苦虫を噛み潰したような顔をして、ふうっと息を吐き出した。
「あなたは帰宅部だから今日の放課後、当然
白川は扉を開けて廊下の左右を確認した後、そそくさと美術室を出て行った。
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