言葉とAIの狂気を描く──笑えて震えるブラックユーモア短編
- ★★★ Excellent!!!
この短編は
ただの猥雑な笑い話に見せかけて──
現代の「言葉」と「生成AI」の関係を
鋭く突きつけてくる一作です!!
直接的な描写や露骨な展開は避けつつも
読後には強烈な後味が残ります。
特に印象的なのは
〝言葉〟が単なる情報や表現を超えて
人の肉体や生死にまで
作用しうる存在として描かれている点です。
主人公の軽口や冗談めいたやり取りの中に
言葉と欲望
そしてAIとの危うい関係性がにじみ出ていて
どこまでが笑い話で
どこからが現実の恐怖なのか──⋯
その境界が曖昧に感じられる構成は見事です!!
また、古典文学やエロゲ
都市伝説的な俗説を織り交ぜながら進む語りは
一見散漫に見えて実は周到に練られており
読んでいるこちらも
「言葉に呑み込まれる感覚」を
疑似体験させられている──
そう、感じてしまいました。
軽快な会話調で進む分
ラストに近づくにつれての
急激な不穏さとの落差が際立ち
虚構と現実の境界線を
踏み越えるようなスリルがあります。
総じて、本作は
「AI時代の言葉中毒」を描いた
ブラックユーモアであり
同時に
寓話的ホラーとしても成立しています。
笑いながら読んでいたはずが
読み終えた瞬間──
背筋に冷たいものが走る……
そんな体験を与えてくれる短編です。