ダメ✕ダメシスターズ

Kazu

第1話

先週、俺は親の都合によって東京へと引っ越してきた。明日からは新しい学校で期待と緊張が入り交じっていた。


〜6月19日〜


引っ越してきて一週間目の朝、目が覚めるとそろそろ慣れてきた新居の天井と片付け終わっていない段ボールが散乱していた。それと、なんか腹部に重みを感じる…

「ってどけよ、邪魔だな」

上を見上げるとそこには、茶髪で綺麗な長髪がなびいていた。顔に目をやると、それはまさしく、俺の妹である中2の恵が乗っかっていた。

「えーアニメだと定番のやつじゃん」

「もうちょっと下の方に乗れよ、腹は苦しい」

俺がそう言うと、恵は俺の腹部から床へと飛び降りると、むっとしながら口を開いた。

「場所はどこでもいいけど、そこは照れながら『おい…やめろよ』とか言って興奮しちゃったりするところでしょ?」 

どこでも良くねぇだろ。

「そう言うイベントが発生するのは可愛い妹とシスコンキモ野郎が同時にいる時だけだ」

俺が話し終わると、恵はびっくりしたような表情で口を開いた。

「全国のお兄ちゃんって妹に興奮するもんじゃないの?」

「全国の妹がいるお兄様方に土下座してこい」

恵を部屋から叩き出し、俺は着替えを始めた。

「ここの制服…なんか微妙だな…」


着替えを済ませ、下の階へと降りると母さんが朝食を用意していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る