12(2度目の動物園)
明くる年に閉鎖が決まっている島唯一の動物園は、駐車場も入れて充分な敷地面積を有している。
はので、はぐれると非常に面倒くさい。
サファリゾーン、霊長類エリア、肉食獣エリア、鳥類のざわめきゾーン、小動物とのふれあいコーナー、海の生き物コーナー並びに爬虫類がずらりと揃った建物。
遠足の時に破壊された門は投資した甲斐があるほどすっかり綺麗に直っていた。
様々な動物が描かれた門を抜け、まずはペンギンに会いに行くと言う香流が真っ先に駆け出して行った。
慌てて追いかけようとしたら中川がこけた。べそをかく中川をあやしていたら、香流の姿はもうどこにも見当たらず、現在に至る。
「アイツ、どこに行ったんだよ!」
柳瀬は中川を背負いながら声を荒らげた。隣の蓮は柳瀬に手を引かれながら大人しく付いてきている。
あのアホ、スマホを渡したのにスマホに出ないという暴挙。何のためにアイツにスマホを渡したのか、全く意味がない。
サファリゾーンを抜けて、海の生き物コーナーへと向かう。
アホ柚木の事だから柵の中で動物達と遊んでるんじゃないか。安直な発想だが、とりあえず手当り次第探して行くしかない。
怒りながらも手を離さない柳瀬を、蓮は眉ひとつ動かさず見上げていた。
「とうご、おこってる?」
「怒ってるに決まってんだろ!はぐれんなっつってんのにあのアホはいつも言うこと聞かねぇ!」
香流は自分が狙われているという自覚がまるでない。
何度か戦闘を経験して香流がそこらの人間よりは強いのは知っているが、それは対物理が効く相手に関してだけだ。魔法相手や実態のない相手には香流の体術は意味がない。
攫われたのなら早く取り返さなければ。
しかし、子守りをしながらの捜索は正直キツい!中川だけでも早く復活して欲しい。
「中川、もう歩けるだろ!」
「膝が痛い⋯」
「回復しろよ!」
「だって魔法使ったらお腹空いちゃうもん」
お弁当は香流が持っている。それに柳瀬の背中は居心地がいい。温かくて安定感がある。
「蓮、悪いけどコイツ背負って」
「はい」
「柳瀬の方が安定感ある⋯⋯」
のに、と言いかけて中川は口を閉じた。
蓮の方が中川より小さいのに妙な安心感がある。絶対に落とされないという信頼感。あぁそうだ、蓮は力持ちなんだった!
「ありがとう、蓮」
「どういたしまして」
この2日で蓮の言葉が爆発的に増えた。
まだ片言から抜け出せないが、理解と飲み込みがとても早い。一生懸命お勉強しているのが伝わってくる。
「よし、上から見よう」
「上?」
「
柳瀬の周りを白く細やかな花が舞う。
扇が巨大化し、軽やかに宙へ浮かび上がる。おぉ、と蓮は声を零した。
「柳瀬は術師なんだよ」
「じゅつし?」
「扇を介しての魔法使いって言ったらいいかな」
「まほうつかい?」
「わぁ、ドツボにはまっていく」
説明のループに入ってしまった。次々分からない言葉が出てきて蓮はちんぷんかんぷんだ。
「お前ら、乗れ」
柳瀬が扇に乗ってふたりを手招きする。蓮は中川を背負ったまま柳瀬の真似をして扇に乗っかった。
ぐん、と扇が宙へ浮かぶ。蓮は驚いたが、声はあげなかった。ただ目を輝かせて下を覗き込む。
「空は楽しいだろ?」
「そら、たのしい?」
「あぁ、俺のことじゃなくてお空のことだよ」
「おそら⋯⋯」
「何言ってんだこいつみたいな顔するじゃん⋯」
ひとに言葉を教えるのって難しいんだな、と中川は蓮の背中から下りながらしょんぼりした。
蓮はじっと下を眺める。柳瀬はスマホを開いてもう一度通話をかけた。本当に出ないなアイツ。
「かばん」
蓮が地上のある一点を指さした。
柳瀬と中川も下を覗く。入り口付近に植えられた樹木の向こう側、芝生の上に香流のリュックがぽつんと置かれていた。
「リュックだけ⋯?」
「とりあえず下りてみるか」
柳瀬は扇を下降させる。地面に近付くと、瞬時に扇を元に戻した。中川はしりもちをついて、蓮はすとんと着地する。
「下ろし方が雑だよぉ」
「そら、どんくさい」
「なんでどんくさいなんて知ってるの」
「中川、弁当あったから怪我治しとけ。⋯でもなんでアイツはいねぇんだ」
柳瀬は眉根を寄せて考える。
その間に中川は膝の怪我を魔法で治療した。やっぱり地上で能力を使用すればすごくお腹がすく。一足先にお弁当を開けていただきますをした。
コロッケ、茹でたにんじんとブロッコリー、エビフライ、ミートボールにオムライス風のおにぎりが3つ。
リュックに予備のおにぎりがあと20個入っている。それは非常食として、柳瀬はあえておにぎりの存在を黙っていた。
「やっぱり攫われた線が濃厚だな」
「どこかに痕跡があるといいけど」
「⋯試してみるか、新しい言葉。
柳瀬の術は言葉依存の能力だ。
扇を介して先頭の文字の術が発動する。要は想像力の問題で、柳瀬が明確に脳裏に描くほど術の正確性は増す。
明確に思い描けるなら、死んだ人間を甦らせる事だって可能だ。
ただ、人間の身体は死んでから脳が死ぬまでのタイムラグがある。時間が経ってしまえば甦らせても脳死状態になってしまい、全てを元に戻せる訳ではない。
柳瀬の術は万世の術だ。ただし、万能ではない。
地面に置いた扇から白いタンポポの花が地面に咲き並んでいく。
白いタンポポはくるりと弧を描くと、リュックの下で止まってしまった。
やっぱり。かえるの時の中川のように違う世界に攫われてしまえば、この世界でどれだけ捜そうとしても柳瀬の術は役に立たない。
「ぐぁぁ〜!俺が使えねぇのが腹が立つぅ!」
「まぁまぁ、柚木ならそのうち帰ってくるんじゃない」
「⋯⋯⋯」
蓮は頭を抱えて蹲る柳瀬と、お弁当をまったり食べる中川を眺めながら戸惑っていた。
行動の方向性が違いすぎて何をすればいいのか分からない。
初めて来た場所。香流はいない。そしてふたりは役に立たない。
蓮が立ち竦んでいると、頭に何かがぽすりと乗っかった。
反射的に鷲掴みにする。潰そうと思ったが、ぴいぴい騒ぎ出したので潰すのはやめておいた。
『た、たすけて欲しいでやんす!』
「お前、あの時の雀か!」
柳瀬が顔を上げる。雀は蓮の手の中で足掻きもがいていた。
『何こいつ、めっちゃ力強い!』
「あぁ、蓮は鬼だから⋯。蓮、離してもいいぞ」
「はなす」
「もう手を広げていい」
柳瀬はジェスチャーで手のひらを開いた。蓮は素直に雀から手を離す。
雀はよろよろと飛んで、柳瀬の肩に止まった。
『死ぬかと思ったでやんす⋯』
「お前、まだ動物園にいたのか」
『ここはあっしの寝床ですからね!』
「来年閉園するけどな」
雀がガーンと衝撃を受けた。
知らなかったのか。まぁ知るわけないか。
柳瀬はあぐらをかいて芝生の上に座った。手で指し示して蓮も座らせる。
何も手立てがない以上、この場所から動くのは悪手だ。柳瀬は弁当の包みを取り出して蓮に手渡した。
「で、何の用だよ」
『あのぅ、あのお方は⋯⋯』
「ひとの肩でモジモジすんじゃねぇ」
鬱陶しい。叩き潰してやろうか。
柳瀬が顔を歪めたのを見て、雀はぴゃっと大人しくなった。美人の凄みは迫力が違う。
蓮は弁当の包みを上げたり下げたり横から見たりしながら首を傾げている。中川が代わりに包みを開けてあげた。蓮はまだお箸が使えないので、スプーンとフォークが入っている。
「柚木ならどっかに連れて行かれてるよ。どこに連れて行かれたのか分かんねぇけどな」
『すんごく可愛いですもんねぇ』
「まだ柚木のこと狙ってんのか」
『いえ!あっしは一目見れるだけでいいんでやんす!』
何か厄介なファンが付いたな⋯。
柳瀬は呆れていた。アイツほんとじっとしててくんねぇかな。ため息を付きながら柳瀬もお弁当を開く。
「お前も食う?」
『綺麗なお姉さん、優しいでやんすね』
「俺は男だ!」
柳瀬は雀をデコピンで弾き飛ばした。
途端に、雀が煙に包まれる。現れた茶色と黒の髪の入り混じった子どもは、つぶらな瞳を歪ませてべそをかいた。
「ひどいでやんすぅ」
「お前、ひとになれんのか」
「あっしはアスラゼネ星の王子様なんでやんすよ!」
「はぁ」
「感動のひとかけらもない!」
その口調はどちらかと言うと小間使いではないだろうか。
呑気に弁当をつつきながら、3人は雀を無言で眺める。無言に耐えきれなくなったのか、雀はがくりと膝をついて泣き始めた。
「なんでここに来たのかとか聞いてくれないんでやんすか!」
「前に聞いたよ」
「柚木はやらねぇ」
「あの子の事はもう諦めたでやんす!あっしは、あの後自分の星に帰ろうとしたんでやんすが⋯。来た時に通ったゲートが前回の動物達の大群により破壊されてしまったんでやんすー!」
「自業自得だよね」
「自業自得じゃねぇか」
中川と柳瀬の突っ込みは息ぴったりだ。
こいつが余計な扇動をしなければ動物達が入場門へ集まることはなかった。その後動物達を呼び寄せたのは香流だが、そもそもの事の発端はこいつだ。
嘆いても知るもんか。冷たいふたりの反応に、雀はさめざめ泣き始めた。
「助けて欲しいでやんす」
「まぁおにぎりでも食えよ」
是も非も答えず、柳瀬は自分のおにぎりを雀へ渡した。
雀は泣きながらおにぎりを頬張る。絶妙な塩加減のおにぎりがとても美味しくて心に沁みる。
「で、お前は何が出来んだよ」
柳瀬は一応聞いてみた。
それに、柚木が帰ってくれば助けてやるよと言い出しかねない。柚木の側に居着かれるよりは俺の手元に置いた方が安全だ。
でも役に立たずを養う金はびた一文足りとも出すつもりはない。連れ帰ってもはいサヨナラ、獣の餌にでもするだけだ。
「獣の言葉が分かるでやんす!」
柚木の下位互換かぁ。
んー、と柳瀬は眉根を寄せる。いるようないらないような微妙なラインだ。まぁ、この現状なら少しは役に立つかぁ?
「なら、獣達を使って違う世界に繋がるゲートを探し出してみろよ」
「えっ」
「合点承知でやんす!」
雀はまた煙を立て、雀の姿を取ると空高く舞い上がった。
中川は慌てて柳瀬の服を掴む。
「柳瀬、こんなところでそんな命令出したら!」
「あ?」
園内から、ドドドド、と鈍い音がした。
動物園の動物達が一斉に動き出す。園内をくまなく探し出そうと檻から脱走を試みる。
「あ⋯⋯」
「柳瀬、柚木が絡むと結構ポンコツだよねぇ!?」
涙目の中川が柳瀬の肩を揺する。
しまった。確かに冷静ではなかった。柚木がいないことに焦っていたのか、俺は。
自分でも全く無意識の行動だった。柳瀬は口元を押さえて青ざめる。
「他のお客さんもいるし、動物達を止めないと!」
中川はお弁当をしまうと、柳瀬の手を引いて立ち上がった。
アホの行動には順応している。でも頭脳の
「柳瀬、行くよ!」
「あ、あぁ⋯⋯」
「蓮も手伝って!」
蓮は中川に習って、お弁当をしまって立ち上がった。
まずは1番問題の肉食獣エリアからだ。
動物園の動物が人を襲う話は聞いたことがある。柳瀬はまだ混乱する頭の中、必死に止める手立てを考えていた。
雀の姿が見当たらない。動物と話せる柚木もいない。
なんて事をしてしまったんだ。これじゃあ柚木と同じじゃないか。
むしろ、動物と話せない分やらかし度は俺のほうが上だ。
「きゃああぁぁ!」
悲鳴が聴こえて、柳瀬ははっと顔を上げる。
女性と小さな子どもの目の前に、虎がいる。
唸っているように見える。柳瀬が声をあげようとしたその時、ダン、と真横から音がした。
「だいじょうぶ」
跳躍した蓮が虎の前に降り立つと、ぽんぽんと虎の額を撫でた。
牙を剥く虎を額を起点にしてひょいと持ち上げる。くるりと柳瀬を振り返ると、首を傾げた。
「どこしまう?」
「蓮、お前はいい子だなぁ⋯!」
蓮を味方に引き入れておいて良かった。
蓮は持ちにくいのか虎をくるくる回して丸くする。持ち手が定まったのか、真っ直ぐに柳瀬の元へ歩いて来た。
「あ、ありがとうございます⋯!」
頭を下げる女性には中川が手を振って応えておいた。
柳瀬はふぅと息をついて、気持ちを落ち着かせる。
「中川、蓮を虎の檻へ案内してやれ!俺はこのエリアの動物達を捕縛するから、蓮は順番に運んでくれ!」
「分かった!」
ようやくいつもの柳瀬が戻ってきた。
柳瀬は扇を地面に置く。脳内にイメージを。鮮明に描けば範囲が広くても使用出来るはずだ。
俺なら出来る。やらなきゃ駄目だ。
「
ぶわ、と薄紫色の小さな花が舞い、細い赤紫色の茎が扇を支点に伸びていく。
無数の茎はぐるりと肉食獣の身体へと巻き付いた。人に危害は加えないよう最新の注意を払う。神経を研ぎ澄ませ、ひたすら術に集中する。
掴まえた動物達を、蓮が道端の石ころのように集めていく。中川が蓮を檻へ案内して、ところどころで立ち往生するお客さん達を1箇所へ集めていた。
最後のライオンを運び終え、中川と蓮は柳瀬の元へ駆け寄る。
「終わったよ、柳瀬!」
「とうご、えらい」
蓮はパチパチと拍手をした。
集められたお客さん達もわっと歓声を上げて拍手を送る。柳瀬は苦笑いをして、術を解除して扇を閉じた。
「次のエリアに行こう」
「うん!」
3人は飼育員さん達に事情を説明して、次のエリアへと急いだ。
全部の動物達を檻へ戻すのに、半日かかってしまった。
最後に回した小動物とのふれあいコーナーでようやく雀を発見したので、命令の訂正をさせて回らせた。なんだかどっと疲れた。一体何しに来たんだ俺達は。
『あっしは役に立ったでやんすか!?』
「あぁー⋯」
返事する気力もない。
中川と蓮はリュックのおにぎりを食べている。頑張ったのでふたりにリュックのネタばらしをすると大喜びしていた。
芝生の上に倒れ込んで、柳瀬は自らの行いを猛省する。
中川の言う通り、柚木なら自力で何とかするだろう。
なんなら向こうで仲間を作りかねない。全く、取り越し苦労にも程がある。
迂闊な発言で他人に迷惑をかけてしまった。アホは俺の方だな。
柳瀬がくしゃりと前髪をかきあげると、ふ、と顔に影がかかった。
柳瀬は勢い良く身体を起こす。
「ただいまー」
香流が呑気に笑ってそこにいた。
思考するよりも早く、身体が勝手に動く。腕を引いて抱き締めて、香流の肩に顔を埋めた。
帰ってきた。
生きてた。
柚木は柳瀬の初めての友達だ。ずっと裏の世界を眺めてきた柳瀬にとって、心を許せる人間なんてそういない。
怖かった。柚木がいないと俺は駄目だ。あんな簡単に立てなくなってしまうなんて知らなかった。
「無事で良かった⋯っ」
「なんだよ、泣くほど心配したのか?心配しなくても俺は強いぞ」
「おかえり、柚木ー」
「おかえり」
「なぁ聞いて!向こうでドラゴンと戦ってきた!すげぇ楽しかったぁー!」
コイツ。
マジで心配して損した。柳瀬はふつふつとやり場のない怒りを抱えながら涙を拭う。
「どこの世界に行ってきたの?」
「さぁ?でも言葉は通じたし、そこで会った女の子がめちゃくちゃ強かった!魔法もいっぱい見れたし、ドラゴンの卵が孵ったら地球に来るって約束したぞ!」
屈託なく香流は笑う。
ふ、と柳瀬は肩の力が抜けた。もういいや。コイツ見てるとすげぇ安心する。
アホって素晴らしいんだな。柳瀬は開いてはいけない新しい扉を開いてしまった。
「なぁ、まだ動物園閉まってない?」
「閉まってないよ」
「じゃあペンギン見に行こうぜ!蓮、ペンギン教えてやるよ!」
「学びがピンポイントだねぇ」
柳瀬の手を引いて、香流は立ち上がる。
いつだって俺の手を引くのはコイツの方だ。役に立たないと隣にいられないと必死だったのは俺で、柚木はそんなことこれっぽっちも思っていないのに。
俺はまだまだ未熟だ。
柚木を守るためにはもっと力がいる。知恵も、判断力も、応用力も、何もかもが俺には足りない。
強くなりたい。
自信を持って隣に立てるようになりたい。でなければ、俺が俺を許せないから。
『あ、あのぅ⋯』
「ん?」
雀が遠慮がちに羽ばたきながら話しかけてきた。
柚木が雀へ目を向ける。あ、と目を見開くと、足を止めて雀へ笑いかけた。
「お前、あの時の雀か!久しぶりだな!」
『はぅ!』
ズキューン、と雀は小さな羽で胸元を押さえた。
柳瀬と中川の目が据わっていく。雀は我を取り戻すと、あわあわしながら柳瀬の肩に止まった。
「俺は柚木香流。お前はなんて言うの?」
『パッセル・ブロンピピトでやんす』
「長ぇ名前!お前も一緒にペンギン見に行く?」
『はい!』
あぁ⋯落ちたな⋯⋯。
柳瀬はため息をついた。もういいや。コイツは俺の監視下に置くしかない。
「パッセル、うちで働かせてやるから精々俺の役に立てよ」
『はい!親分!』
「誰が親分だ!」
こうして、柳瀬ファミリーに新しい仲間が加わった。
蓮の門限が差し迫ったため、まだ帰りたくないとごねる香流を無理やり車に押し込んだ柳瀬は、珍しく香流と一緒に寄り添って爆睡していた。
蓮も香流の膝枕で眠っている。
3人の寝顔を微笑ましく眺めながら、中川はパッセルを膝に乗せて黒服からもらったお菓子をポリポリ食べていた。
「パッセル、いくつなの?」
『あっしは18でやんす!』
「わぁ、年上⋯⋯」
まさかの事実に中川は戦慄した。
後で柳瀬にこそっと伝えておこうと思いながら、パッセルにもお菓子をあげて快適なドライブを楽しむ中川だった。
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