第14話 男飯
ハル{ただいまー。レオー。
色々狩ってきたぞー。}
ルクス「え?狩ってきた?とってきたじゃなくて??」
ハル{ん?狩ってきた。}
ルクス「えっ。俺がおかしいのか?これ。」
ヴィクター<いや、ルクスの反応が正しいんじゃないかな?僕たちはその前に見た光景が衝撃的すぎて、そっちの方に目が言っちゃって。>
レオ「「一体全体何したんだ?お前は。」」
ハル{え?何って…解体してただけだけど。あ、でも血抜きする時に少し地面が赤くなっちゃってさぁ〜。}
クラルス[[いや、あれ少しどころじゃないでしょ。]]
ハル{そうか?}
クラルス[[えぇ〜??]]
ハル{ま、そんなことより。レオ。薪と食料はこんだけあれば足りるよな?}
レオ「「あ?……まぁこんくらいだと3日目になくなるんじゃねぇか?」」
ハル{とりすぎても環境破壊になっちまうからな。とりあえず必要最低限でいいだろ?}
レオ「「まぁそうだな。」」
ハル{よし、じゃあ夕飯までの20分間自由時間ってことで少しの間解散!!}
クラルス[[よっしゃあ〜!俺どこ行こっかな〜♪]]
ルクス「ヴィクター。俺たちはエル達のとこに行こうぜ。」
ヴィクター<うん、そうだね!>
ハル{どこに行くも自由だけどあんまり離れすぎるなよー。あとちゃんと20分経つ頃にはここに戻ってこいよ。}
1年「はーい!」
ババッ
ハル{自由時間となるとあいつら速ぇな。ま、それはそれとして1年たちは居なくなったけど、何するよ。レオ。}
レオ「「……。寝る。」」
ハル{そう?なら俺はヴァルたちの飯でも作っとくか。ここら辺のやつ使っていいよな?}
レオ「「勝手にしろ。」」
ハル{ん。ありがとう。レオ。おやすみ〜。}
一方その頃、ルクスは…
エル[おっ、きたきた。おーい、ルクスー!なんや、遅かったなぁ。なんかあったんかと思ったわ。]
ルクス「ごめんごめん。別になんもねぇよ。」
ヴィクター<エルたちは早かったね。誰が班長だったの?>
エル[ワイん所はあんま知らん兄ちゃんやで。確か、スカーレットドートリー寮の副寮長とか言いよった気ぃするわ。]
ルクス「へぇ〜。(スカーレットドートリー寮っつったらクラルスのいるところだっけか。)」
ヴィクター<ロスは誰だったの?>
ロス《俺のところは変な兄ちゃんやったな。ゲーマリア寮の寮生、言うとったわ。ルクスのところは?》
ルクス「あぁ、俺はヴィクターと一緒だったんだけど見事にハルさん達だったよ。」
エル[ホンマかいな!?]
ルクス「あぁ。ホントに。」
ロス《で?どないな印象やったん?レオン先輩は。》
ルクス「ん〜。やることはきちんとこなすけど言われるまでやらない人?」
エル[なんやそれ?]
ルクス「いや、マジで言った通りなんだって。ほとんど副班長のハルさんが仕切ってたんだけど、重要な指示はレオン先輩が出してたしな。なぁ、ヴィクター。」
ヴィクター<うん、そうだね。場所取りの時もレオン先輩が指示してたしね。>
ルクス「レオン先輩が指示して、ハルさんが説明するみたいな感じだったよなぁ。」
エル[へぇ〜。役割分担してたっちゅうことか。]
ロス《そないな話しとる間にもうすぐ20分経ってまうで。もう帰らなあかんのとちゃうか?》
エル[えっ。あっホンマや。もう帰らへんと。怒られてまうわ。]
ルクス「そうだな。行くか、ヴィクター。」
ヴィクター<うん、そうだね!じゃあみんなまたね!>
ロス《そやな。ほなまた明日。》
ルクス「あいつらマジでどこに行っても変わんねぇな。」
ヴィクター<僕たちもだと思うけど。>
ルクス「まぁ、それはそうか。…なんかいい匂いしないか?」
ヴィクター<え?あ、本当だ。>
ハル{おっ、おかえり。}
ルクス「うす、ただいまです?」
ハル{え?なんで疑問形?}
ヴィクター<そんなことより、ハルさんは何を作ってるんですか??>
ハル{あぁこれか?これは俺が飼ってる狼と猫のご飯。}
ヴィクター<えっハルさん狼飼ってるんですか!?>
ハル{え?なんかダメだった?}
ヴィクター<いえいえ!僕狼とか見た事がなくて。>
ハル{そうだったのか。そういやヴィクターはベニクラゲの人魚だって言ってたもんな。見たことが無いのも頷ける。それで言ったらニクスやアリーザと同じ学年になったのは幸いだったな。あいつら珍しい獣人だし。それに狼の獣人のランドルフもいるしな。}
ヴィクター<確か、雪豹と孔雀ですよね!>
ハル{そうそう。っとこんな感じか。ヴァル、ラック、レイ、グレン、アル、ソル。飯出来だぞ。出てこい。}
シュタッ
アオーン
にゃあにゃあ
ヴィクター<わぁ〜可愛い〜!>
ハル{ハハッ。そうだろ?(言ってることは可愛くねぇけどな。)}
ルクス「それにしても、俺も狼はランドルフ以外初めてだな。こんなちっせぇものなのか?それにこっちの猫たちも初めて見る気がするし。」
ハル{ん?あぁ。こいつらは自分らの魔法でちっさくなってんだ。あと、猫の方も少し特殊だしな。}
にゃ〜お
ハル{美味いか??お前ら。}
にゃあにゃあ
ガウッガウガウ!
ハル{そっか。美味いか。なら良かったわ。}
グゥ〜
ルクス「やべっ。あまりにも美味そうに食うから腹減っちまった。」
ハル{ハハハッ。腹減るのは仕方ねぇさ。…まぁ先に飯作っとくか。それでいいか?レオ。}
レオ「「好きにしろ。」」
ハル{班長の許可も頂いたことだし。キャンプと言ったらやっぱカレーだよな。}
ルクス「俺カレー大好きです!」
ハル{なら良かった。}
〜数分後〜
クラルス[[ただいま戻りましたー!]]
ハル{おかえりクラルス。ちなみにお前が最後な。}
クラルス[[えっ…。もしかして最後だったら晩飯抜きとかあるの?嘘でしょ?]]
ハル{さぁな。…w。}
クラルス[[いや、ハルさん堪えきれてないじゃん。めっちゃ肩プルプルしてるし。笑っちゃってるし。俺の事からかったっしょ!?]]
ハル{え?何が?}
クラルス[[いやいや無理だから。今取り繕っても遅いって!]]
ハル{ごめんごめん。ほら、もうすぐカレー出来るから許してくれ。}
クラルス[[えっカレー!?マジで!!俺カレーって結構好きなんだよね〜♪]]
ハル{そうか?(こいつもチョロいな。大丈夫か?)}
〜数十分後〜
ハル{よし、出来た〜!お前ら皿持ってこーい。}
1年「はい!!」
ハル{みんなに行き渡ったか?ってわけで頂きます!!}
全員「頂きます。」
クラルス[[うわっ美味ッ!!プロじゃん!!]]
レオ「「そりゃあそうだろうな。」」
クラルス[[え?どゆことっすか?]]
レオ「「こいつは宮殿で俺の専属料理長だったからプロ並ってのは間違っちゃいねぇよ。」」
クラルス[[……えっ!?レオン先輩王子だったの!?]]
ヴィクター<えっそっち!?>
クラルス[[えっ??]]
ヴィクター<いや、てっきり僕はハルさんが宮殿で料理してたってことに驚いたんだと思ってたよ。>
クラルス[[……あっ!?ホントだ。いや、レオン先輩が王子ってことにビックリしすぎて聞き逃してたわ。]]
ルクス「まぁ、レオン先輩って王子って言うより海賊って言われた方がしっくりくるよな。」
ハル{www。酷い言われようだな。レオ。}
レオ「「うるせぇよ。ハル。」」
アリーザ〈待ちたまえ君達!!ハル先輩はレオン先輩の専属料理長だったということは、つまり!レオン先輩とハル先輩は昔からの幼なじみと言うことなのか!?〉
ハル{ん?そうだぞ?言ってなかったっけか?}
ニクス『『俺も今初めて知りました。』』
ハル{えっ?そうだっけ?ま、それはそれとしておかわりならまだあるからな。}
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