#2

盛り上がったあと、彼が少し照れくさそうに言ってくる。

『俺、クレーンゲーム得意でさ……取れたらあげようか?』


突然の申し出に私は思わずテンションが上がってしまう。

「え? 本当ですか? やったー! 私クレーンゲーム苦手で、なかなか取れなくて……困ってたんです! お金払うんで、お願い致しますっ!」


思わず頭を下げた私に、彼は少し笑って言った。

『いやいや、俺が勝手にやってるだけだからさ。…お金はいいよ、また後で話そう』


そう言い残して、彼はその場を去っていった。


私は彼の優しさを噛み締めながら、心が少しあたたかくなった気がして、

残りの仕事にも自然と気合いが入った。

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