新競技【答案返し】

五來 小真

新競技【答案返し】

 今日の運動会のプログラムに、謎の競技が加わっていた。

 事前に聞いてないプログラムだった。


『答案返し』


 答案が、運動会の最中に返されるということか?

 タイミングを考えろよ。

 ——まあ、答案を返されるだけならいいか。


 他のみんなもそう考えたらしい。

 面倒そうな顔をしてても、文句は出なかった。


 そして迎えた『答案返し』の時間。


「よし、競技の内容はわからんだろうから、説明するぞ」

 周囲がどよめいた。


『答案返してくれるだけじゃないの?』

『競技?』


「名前が消された解答用紙が、コースの真ん中に置いてある。それを一枚取って本人に返した後、ゴールしてくれ」


 答案返しは、混乱を極めた。


「こんな低い点数が俺の訳ないだろ」

「この汚い字が、私だっていうの? ひどい!」


 知り合いの字を把握していて、その一枚が偶然に取れるなら、勝てるだろう。

 しかし、それは難しかった。


 私がゴールしたのは、最後だった。

 言い訳するなら、『こんな低い点数じゃない』と受け取らなかった奴こそが、正解だったからなのだ。

 競技で見栄は、張らないで欲しかった。

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新競技【答案返し】 五來 小真 @doug-bobson

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